令和3年定例会-3月4日
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村林聡
こんにちは。度会郡選出、自民党会派、村林聡です。早速、質問のほうへ入ります。
大きな1番として、コロナ禍の教訓を踏まえた医療提供体制の強靱化というように題名を置きました。
「働かないアリに意義がある」という本があります。進化生物学者の長谷川英佑という方が書かれたものです。読んだのが随分前のことになりますので、うろ覚えなんですが、以下のような内容だったはずです。
アリの巣の中に、一見すると働いていないように見えるアリがいるが、それはどういう状況になれば働くべきかという感じ方の違いがそうさせている。なので、そうしたアリも危機が訪れれば働くのだと。こうしたアリの存在が環境変化への備えとなっており、一斉に全員が働いて、一斉に全員が疲れる社会よりも、こうした余裕、備えがある社会のほうが生存戦略として有効であるから、このように進化したのだと。大体以上のような内容だったと思います。
経済効率性のみを追求して様々なものを削っていくことは、現在の環境が安定し、変化しないことを前提に環境変化への備えを削っていくこと。その行き着く先は恐竜のように絶滅。ある時代の絶対王者が次の時代もそうだとは限らない。現在の環境のみに特化するということは、こういうことなのだと考えています。
映写資料をお願いします。(パネルを示す)クリストファー・フッド、当時、ロンドン大学教授という方の「ニュー・パブリック・マネジメントは万能か?」という著作の中にある表を映写してもらっています。
行政には三つの価値があるとしていまして、一つ目が簡素・効率、二つ目が公平・公正、三つ目が強靱かつ弾力となっております。
ニュー・パブリック・マネジメントというものは、一つ目の簡素・効率という価値を重視するあまり、二つ目と三つ目、公平・公正、強靱かつ弾力という価値をおろそかにする傾向があること、そして、そうした流れがいまだに改まっていないということを批判しています。
世界的に経済と財政の関係が厳しいという背景があり、こうした流れが、このコロナ禍で世界において医療を崩壊させ、悲惨な被害を出しているのではないかという指摘があります。
さて、お伺いします。
今回のコロナ禍の教訓を踏まえて、医療体制というものは余力を意識した備えが必要であると考えますが、今後の三重県の医療提供体制について御所見をお聞かせください。御答弁をよろしくお願いいたします。
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医療保健部長(加太竜一)
コロナ禍の教訓を踏まえた今後の医療提供体制についての考え方について御答弁を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症患者の入院医療体制につきましては、感染症病床24床に加えまして、一般病床等を含めて、現在392床の病床を確保し、患者を受け入れていただいているところでございます。
また、疑い患者に対する外来診療体制につきましては、検査を集中的に実施するPCR外来を県内11か所に設置するとともに、発熱患者等の診療または検査を実施可能な500を超える医療機関を診療・検査医療機関として指定するなど、公立・公的病院のみならず、民間病院、診療所等の協力も得ながら、新型コロナウイルス感染症に係る医療提供体制を整備してきたところでございます。
今申し上げました新型コロナウイルス感染症への対応から、今後の新興感染症等の感染拡大時には、一般の医療提供体制についても大きな影響が及ぶということが改めて明らかになったところでございます。
そこで、令和2年の12月に改訂を行いました三重県感染症予防計画におきまして、新たな感染症が大きな広がりを見せ、指定の感染症病床24床のみでの対応が困難となった場合に備えまして、一般病床における受入協力体制を平時から整備するということを明記したところでございます。
一方、国におきましても、令和6年度以降の次期医療計画の項目に、新興感染症等の感染拡大時における医療を追加し、平時からの取組として、感染拡大に対応可能な病床等の確保や専門人材の育成・確保に関する内容を、感染拡大時の対応として、受入候補医療機関や医療機関の間での連携・役割分担等に関する内容を盛り込む方向で検討が進められているところでございます。
今後につきましては、厚生労働省における医療計画に関する基本方針や医療計画作成指針等の見直しについての議論も注視しながら、次期医療計画の策定に向け、今般の新型コロナウイルス感染症への対応に係る地域における医療機関ごとの役割分担の実績や課題等の整理を行い、先ほど申し上げました一般病床における受入協力体制の整備も含めまして、新型コロナウイルス感染症対策協議会や医療審議会等の場での検証、地域医療構想調整会議等の場における地域ごとの実情に応じた議論を行ってまいりたいと考えてございます。
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村林聡
御答弁ありがとうございます。
まず、現在の体制を御答弁いただいて、今後、他の新興感染症が発生した場合に備えた感染症予防計画を改訂したりでありますとか、国の次期医療計画なんかにもそうした備えというものが盛り込まれておるので、地域の役割分担なんかも考えながら今後進めていきたいというような御答弁の内容だったかと思います。
もちろんそのように進めていっていただきたいと思うんですけど、私の申し上げたような余力とか備えというところがあまり答弁が、少なめだったかなと思うので、ぜひこれは国のほうへ要望していかなければならないことだとは思うんですけれども、そうした枠組みということを大きく広げていくように要望していっていただけるように、私からも要望します。よろしくお願いします。
11月の一般質問でも申し上げた部分なんですけれども、こうした非常時、緊急時に、かえって病院経営が傾いたりですとか、頑張って働いている看護師のボーナスがなくなったりということでは、全く備えているとは言えませんよね。
誤解のないように申し上げますが、効率化するなと言っているわけではなくて、効率化した上でできた分の余力は、いざというときの備え、強靱化へ回すべきだろうと申し上げておるわけでございます。
この項目の最後に、改めて1点要望させていただきます。
新型コロナウイルスワクチンの医療従事者等への優先接種が始まっていますが、病院は一つのチームですので、分断などが起きないようよろしくお願いいたします。
病院に勤めておられる方が、全く新型コロナウイルス感染症と無関係で仕事ができるとはとても思えませんので、この点、しっかり御配慮いただきますよう要望いたします。
では、次の項目へ入ってまいります。
大きな2番、新型コロナ陽性で入院調整中の方への支援というように題名を置きました。
今回のコロナ禍の教訓として分かったことの一つが、病床使用率が100%にならなくても、病床使用率が50%を超えてくると、入院調整中という自宅待機せざるを得ない方々が出てくるということです。
この三重県においても、実際、1月には100名を超える方々が、こうした入院調整中として自宅待機となりました。よって、今後、感染拡大が起きた場合の備えとして、入院調整中の方々をどう支援していくのかということを考えておく必要があります。
現在、三重県においては、自宅療養というのは実施していないわけですが、仮に、自宅療養を実施せざるを得なくなった場合への備えにもなります。
まず重要なのは、自宅にいたとしても容体の急変などに対応できるようにすることや、家族内での感染拡大をどう防いでいくのかということです。次に、自宅の外には出られなくなるわけですから、食べ物などの日常生活に必要なものをどうお届けしていくのかということになります。こうした支援は、地域住民の安心にもつながるはずです。
そこでお伺いします。
新型コロナウイルス感染症陽性で入院調整中の方へ、健康面への支援や生活必需品などの支援を行うべきであると考えますが、市や町との役割分担も含めて御所見をお聞かせください。御答弁をよろしくお願いします。
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医療保健部長(加太竜一)
入院調整中の方への必要な支援ということについて御答弁申し上げます。
1月上旬から新型コロナウイルス感染症患者が急増したことにより、一部の地域で入院調整が困難な状況となり、先ほど議員から御紹介がありましたとおり、自宅で入院を待つ入院調整中の方が大幅に増加した状況でございました。
1月14日の緊急警戒宣言発出後、県民や事業者の皆さんに御協力いただいた結果、最近では、感染状況は徐々に落ち着き、2月下旬からは、入院調整に時間を要する方はほぼいない状況というふうになってございます。
これまで、入院調整中の方には、家庭内での感染防止を図るために、自宅での過ごし方の留意点等を記載しましたパンフレットを配付させていただくとともに、外出制限に対応できるように、支援を希望する方に対しましては、日常生活に必要な食料でありますとか、トイレットペーパー、除菌用のウエットティッシュなどの生活必需品を、状況に応じて配送させていただいているところでございます。
また、保健所による健康観察時におきまして、患者さんの健康状態を適切に把握するために、血液中の酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターを配付する体制を整備し、希望する方に貸出しを行っているところでございます。
さらに、入院調整中の方の不安に対応できますよう、体調やメンタル等の状態について、医師、看護師による専門的な助言を受けることができる相談窓口を案内するなど、積極的な支援を実施させていただいているところでございます。
引き続き、入院調整中の方への積極的な支援を実施するとともに、今後、さらに感染が拡大し、自宅療養を併用せざるを得ない状況になった場合に備えまして、市町や関係機関と連携しまして、生活支援面での充実や多言語対応など、よりきめ細やかな支援ができるよう検討を引き続き進めてまいって、そのときには対応できるように備えていきたいというふうに考えてございます。
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村林聡
御答弁ありがとうございました。
これまでも食料などの生活必需品について配送しているということですね。今後、さらに拡大した場合に備えて、市町とも連携して支援の充実を検討していっていただけるということなので、ぜひともよろしくお願いいたします。
今、自宅にいても、医師、看護師の相談を受けられる窓口を開設いただいておるという御答弁があったんですけれども、もう少し私のイメージとしては、積極的な部分が必要かなと思うんですね。
それは、たとえ自宅にいる場合であっても、それはたまたま場所が自宅というだけであって、医療の判断、医師の管理下にあるべきではないのでしょうか。例えば医師がもう少し積極的に、必ず医師のほうから最初の段階で問診をするとか、そのようなことが必要だと考えますので、よろしく御検討いただきたいと要望しておきます。
では、大きな3番の項目へ入ります。
訪問看護への支援についてというように題名を置きました。
高齢化が進む一方、健康寿命も伸びています。こうした中、地域包括ケアシステムの下、いつまでも住み慣れた地域で暮らし続けるを支えるため、今後ますます在宅医療、在宅看護の重要性は増していくと考えています。
また、このコロナ禍においても、サービスを提供してくださっている訪問看護の現場の皆さんには、ふだん以上の大変な御尽力をいただいているものと深く感謝しているところです。
さて、昨年5月に三重県看護協会から、一般社団法人三重県訪問看護ステーション協会ができたと伺っております。この機会に、三重県の訪問看護がより充実したものとなるよう願っています。
一方、実際の訪問看護の現場からの声では、三重県の地理的特徴として、車で移動する距離が長くなることへの負担や、訪問看護を行うには豊富な経験が必要であることなどなど、たくさんの悩みがあると聞いています。
そこでお伺いします。
県として、この契機に、訪問看護に係る促進や支援について、現場の声も踏まえてどのように取り組んでいくのかお聞かせください。御答弁をよろしくお願いいたします。
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医療保健部長(加太竜一)
訪問看護サービスの充実につきまして、現場のニーズも踏まえ、今後どのように取り組んでいくのかということについて御答弁申し上げます。
訪問看護は、在宅で安心して療養生活を送ることができるよう、訪問看護師がかかりつけの医師との連携の下に看護サービスを提供し、心身の機能の回復を支援するものでございます。
平成29年3月に策定しました三重県地域医療構想では、本県における在宅医療等の1日当たりの医療需要を、平成25年の約1万6000人から、令和7年には2万2000人になると見込んでおります。この需要に対応していくためには、地域包括ケアシステムに係る体制整備を進めていくことが重要と考えています。 訪問看護は、高齢者が住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことを目指す地域包括ケアシステムに必要不可欠なサービスであり、提供体制の質と量を一層確保していく必要があると考えてございます。
県といたしましては、平成30年度から三重県訪問看護支援センターを設置し、訪問看護ステーションの運営に関する相談対応でありますとか、ステーション間の協働体制の構築等に取り組むとともに、小規模ステーションの運営の安定化・効率化を図るため、アドバイザーの派遣を行っているところでございます。
また、訪問看護の経験の浅い看護師を対象とした研修、先ほど議員からも経験が重要だという御指摘ございましたが、そういった経験の浅い看護師を対象とした研修でありますとか、訪問看護師が高度な医療処置における看護ケアを習得するための研修、訪問看護ステーションと医療機関の看護師相互の現状・課題等を理解し、知識や技術を共有・向上するための研修を実施するとともに、訪問看護のパンフレット作成、住民や医療介護関係者を対象とした訪問看護を周知する研修会の開催などにより、訪問看護サービスの普及啓発も行っているところでございます。
さらに、令和3年度からは、訪問看護ステーションの管理者の資質向上を図るための研修や、新人訪問看護師の雇用に係る費用の補助等を実施することとしており、より質の高い看護を提供できるよう支援していきたいと考えてございます。
これらの取組に当たりましては、現場のニーズを踏まえたものとするため、三重県看護協会や三重県訪問看護ステーション協議会の御意見を伺いながら、実施しているところでございます。
また、三重県看護協会や三重県訪問看護ステーション協議会には、県が主催する社会福祉審議会や医療審議会、在宅医療推進懇話会等に委員として参画をいただいており、県の施策について定期的に御意見をいただくとともに、今年度につきましては、新型コロナウイルス感染症に係る対応状況をお伺いし、先日行われた在宅医療推進懇話会において情報共有をさせていただいたところでございます。
今後も、三重県看護協会や三重県訪問看護ステーション協議会の御意見をお聞きすることで現場のニーズの把握に努め、訪問看護ステーションの運営の安定化や訪問看護師の確保・資質向上に取り組み、在宅医療の推進につなげてまいります。
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村林聡
御答弁ありがとうございました。
アドバイザーの派遣とか各種研修をかなりたくさんやっていただいておると、まず御答弁でそのことは分かったように思います。その後段のほうで、いろいろな協会とも情報共有を図り、しっかり意見を聞きながら実施しておるところだという答弁だったと思います。
今後、現場のニーズをしっかりと情報共有する中で聞き取っていただいて、経営の安定化なども含めて取り組んでいっていただけると、そういう決意を聞かせていただいたものと私としては受け取らせていただきましたので、ぜひとも今後に期待させていただいて、よろしくお願いしたいと申し上げます。 県と協会で現場の悩みの声をしっかり聞いて、そうした声に応える運営となるように、しっかり取り組んでいっていただきたいとお願いいたします。
では、この項目も終えまして、大きな4番へ入りたいと思います。
コロナ禍をふまえた魚類養殖業の今後のあり方についてというように題名を置きました。
コロナ禍で大きな影響を受けているマダイをはじめとする魚類養殖業について、11月の一般質問に引き続き、質問させていただきます。
県や漁連の取組等によって、マダイの在庫として滞留していた3年魚は、一旦解消されたと聞いています。県の様々な取組について感謝申し上げます。ありがとうございます。
しかしながら、先日、漁連からお話を伺ったところ、新型コロナウイルス感染症の再拡大により、12月以降、養殖マダイの出荷が鈍っており、3年魚が再び滞留してきているそうなのです。1月末の時点を昨年と比べてみますと、3年魚については倍以上残ってしまっているのです。
このままの状況が続きますと、例年だと5月から6月に予定している新しいマダイの稚魚を入れるということができなくなるかもしれません。実際に、既に稚魚導入見送りを決めた業者もいるそうです。
マダイは稚魚を入れてから2年後に出荷しますので、2年後に出荷できるマダイが大きく減ることになりかねないということです。
三重県は、マダイ産地として、1.5キログラムくらいの売れ筋のサイズを周年出荷、1年中いつでも出荷できるというのが強みなのですが、その強みが失われようとしています。
そうして、三重県のマダイ産地としての力が落ちると流通の力も落ち、総じて競争力を失います。つまり、ここで稚魚を導入できるかが、三重県がマダイ産地として残れるかの瀬戸際なのです。
また、学校給食へマダイ等の食材を使ってもらおうというみえの畜水産物学校給食活用促進事業については、水産物の分の予算、約4億円のうち、県の試算では約1億5000万円くらいの実績になる見込みだと聞いています。
どうしてこういう残念な結果となったのか、県教育委員会と意見交換をしてみましたところ、タイの骨は鋭いので万が一の事故が怖いでありますとか、間に入って加工してもらう業者を探すのが大変といった声が届いているそうです。マダイの消費拡大には、骨の問題と加工の問題が大きいのだと改めて感じさせられました。
11月の一般質問において農林水産部長から、生産性の向上や法人化など経営力強化による構造改革を進め、本県魚類養殖業の競争力強化を図るとの御答弁をいただきました。
こうした県の方針には大いに賛同するところですが、それらに加えて、ここまで申し上げてきたことについても考えていただけないでしょうか。例えば現在、三重県の養殖マダイは活魚による出荷が中心となっていますが、活魚以外の加工などの出荷体制を構築するなどです。
いろいろ申し上げましたが、改めてお伺いします。
コロナ禍を踏まえた養殖業の在り方について御所見をお聞かせください。御答弁をよろしくお願いいたします。
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農林水産部長(前田茂樹)
それでは、コロナ禍を踏まえた魚類養殖業の今後の在り方についての、県の考え方ということで御答弁させていただきます。
県では、昨年10月に策定した三重県水産業及び漁村の振興に関する基本計画において、競争力のある養殖業の構築を掲げており、今後の展開方向として、コロナ禍において露呈したマダイに依存した経営の脆弱性の改善を図りつつ、収益の向上につながる新魚種の導入やリスク分散などによる新たな魚類養殖の確立を図ることとしています。
また、新型コロナウイルス感染症による農林水産業への影響が続く中、養殖マダイが順次出荷の時期を迎え、再び出荷の滞留や価格の低下などを招くおそれがあることから、引き続き養殖業者への支援が必要であると認識しております。
このため県では、喫緊の対応として、令和3年度においても養殖業者の皆さんへの金融支援を継続しますとともに、今年度の検証も踏まえて、国の事業を活用した学校給食への食材提供による消費拡大対策などに取り組み、安定的な出荷につなげていきたいと考えています。
加えて、魚類養殖業の将来を見据え、生産性の向上や経営力の強化による構造改革を進めるため、令和3年度からは、安価な代替飼料の開発や法人化の促進、トラウトサーモン等、新魚種の導入、それから、気候変動に対応できる高水温にも耐性の高い養殖魚の開発などに取り組んでいきます。
また、昨年7月に策定された国の養殖業成長産業化総合戦略では、これまでのプロダクト・アウト型からマーケット・イン型養殖業への転換を図るとともに、生産、加工、流通等の各段階が連結し、養殖のバリューチェーンの付加価値の向上を目指すこととしています。
このため県では、本年1月に、県漁連、漁業協同組合、鳥羽商船高等専門学校、三重大学など産学官で構成するみえスマート水産業研究会を立ち上げ、魚類養殖管理の省力化や計画的かつ効率的な生産、加工・流通に至る体制の構築、若者の新規就業・定着の促進、海洋環境データの活用等の研究を開始したところです。
さらに現在、県漁連が中心となり議論されている産地における加工・流通体制の強化についても、本研究会での研究結果を踏まえながら、県漁連と一緒になって検討していきたいと考えております。
今後は、こうした中長期的な視点も踏まえながら、養殖業が持続的に発展できるよう、関係団体等としっかり連携しながら、本県魚類養殖業の競争力強化を図り、成長産業化の実現につなげてまいります。
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村林聡
御答弁ありがとうございました。
まず、御答弁いただいたのが、マダイという一つの魚種に依存し過ぎていたのではないかということから、そこから脱却していくというお話がありましたけれども、私が漁連で聞くところによると、三重県海水養魚協議会の皆さんなんかがお話しされておる中では、まだなかなか結論みたいなことまでは出ていないということですので、しっかりそうした団体の意見も聞きながら進めていただきたいとお願い申し上げます。非常に厳しい状況なので、引き続き支援していただけるということなので、ぜひともよろしくお願いします。
今申し上げたように、やっぱり大きくは二つ、一つが稚魚の導入をどうしていくのか、支援していくのかということでありますし、もう一つが、販売促進のための手だてというのが、もう目の前にある大きな二つだと思いますので、そこはぜひともお願いしたいと改めて要望いたします。
少し中長期的なお話、加工も含めていただいたわけですけれども、まず、安価な餌についても御答弁いただきました。
漁連でお話をたしか伺ったときには、以前11月に御答弁いただいた酒かすを、今の使っている餌の代わりにしようじゃないかというお話で、実際に試食が始まっておるということで、味自体には何の問題もないというお話は伺っております。ぜひともよろしくお願いします。
ただ、まだ餌の保管、酒かすを冷蔵保管しないかんのかとか、またちょっと課題はいろいろあるそうですので、どうぞそうしたこともお願いいたします。
今申し上げた加工・流通体制の構築を既に研究を始めていただいておって、産地における加工も検討いただいておるという御答弁をいただいて、大変ありがたかったです。ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
その加工について、ちょっと提案をさせていただきたいと思うんです。生産者や団体の意見をよく聞いた上で進めてほしいというのがもう大前提なんですけれども、個人的な意見、提案としてなんですが、これまでブランド化、差別化を図るときに、身質のよさ、おいしさで勝負していたということが多いように思うんですけれども、もしできるのであれば、骨なし保証、絶対に骨は入っていませんというような、加工によるブランド化、差別化は考えられないものでしょうか。ぜひ提案といたしますので、研究、検討をよろしくお願いします。
先ほど答弁の中で、給食への食材提供をまた考えていただけるということなので、だとすると、やはりここのところを解決しないと、また使っていただけないということになりかねないので、それも併せてお願いいたします。
もう一つ要望しておきます。
9月補正事業の創造的かつ革新的な漁業経営強化対策事業は、大変好評であったと聞きますので、今後も枠組みとして活用いただきたいと要望いたします。よろしくお願いします。
以上で大きな4番を閉じて、次の大きな5番、新たな日常に対応した業態転換支援についての項目に入ります。
このコロナ禍に対応して、国なども含めて、行政は様々な支援策を講じています。一方で、それらの支援策に不公平感があるという声も耳にします。このコロナ禍に、全く無関係でいられる業種、業界はあり得ないでしょう。
知事も、ビルド・バック・ベター、新型コロナ前よりもよりよい社会へとおっしゃっておられるように、新型コロナ前の社会にそっくりそのまま戻っていくのではなく、より感染症に強い社会へと変わっていくのでしょう。であるならば、あらゆる業種、業界は、より感染症に強いかどうかという選択圧力を消費者から受けることになります。
よって、私は、中小企業・小規模事業者の新たな日常に対応した業態転換支援にしっかり力を入れて取り組んでいくことが重要であり、より公平な支援策となるのではないかと考えています。
そして、もう1点、気になっていることがあります。
これは、商工関係の方々のみならず、水産関係の方々からお話を伺ったときにも耳にしたことなのですが、それはコロナ関連の融資事業についてです。
これらの融資というのは、返済までに据置期間、猶予期間を置いていただいているわけですが、いざそれらの期間が明けて返済が始まると、猶予中の期間の分までまとめて圧縮して返すことになるので、普通に借りた融資より、むしろ返済が厳しくなるのだそうです。とすると、3年とか5年とかの猶予期間が明けて、返済の始まるその3年後、5年後に大量倒産が起きるのではないのかという心配の声です。
では、お伺いします。
中小企業・小規模事業者の業態転換に向けて、県はどのように支援していくのでしょうか。また、コロナ関連融資の返済据置期間終了後に向けて、今から借換え等も含めた対策の検討が必要であると考えますが、御所見をお聞かせください。御答弁をよろしくお願いいたします。
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雇用経済部長(島上聖司)
業態転換支援と借換え等の対応について御答弁申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、県内のあらゆる中小企業・小規模企業の活動に深刻な影響を及ぼしております。とりわけ第3波の影響により、飲食や宿泊など、人の移動を伴うサービス業を中心に事業継続の危機に直面していることから、県では本年1月に、事業継続に向けた緊急支援パッケージを取りまとめ、中小企業・小規模企業の資金繰りや事業継続、販売促進に緊急的に取り組んできたところでございます。
一方、昨年春からのコロナ禍におきましては、例えば大人数での会食といった失われた需要もございますが、同時に、感染拡大の防止という新たな課題を解決するため、飲食店のテークアウトをはじめ、新たな需要も発生しておるところでございます。
こうした状況の下では、今後、中小企業・小規模企業がこれまでのビジネスモデルだけで継続的な事業収益を確保するということは難しくなると予想されております。
このため、事業の継続に向けては、これまで積み重ねてきた強みというものを最大限生かしつつ、新分野の開拓など、新たな日常に対応した業態転換への挑戦が必要であるというふうに考えておるところでございます。
県におきましては、中小企業・小規模企業が新たな需要を獲得し、人々の行動様式の変化に対応した事業を実施できるよう、昨年10月に食関連産業を対象といたしました、三重県地域企業再起支援事業費補助金を募集いたしまして、中長期を見据えた事業者の挑戦を後押ししてまいりました。
本事業におきましては、例えば喫茶店営業を行っている事業者が、厨房を改装して菓子製造許可を取得して、店舗で人気のスイーツを店内飲食に限らずテークアウトにも対応する取組を支援いたしました。
また、水産事業者が、市場で評価されない鮮魚を商品として販売するため、干物の製造機械を導入してインターネット販売を行うなど、新たな需要の取り込みと併せて、地域課題の解決にもつながる取組を支援いたしました。
新たな日常に対応した業態転換に向けた取組は、食関連産業だけではなく、全ての産業において必要だというふうに考えてございます。
そこで、全産業を対象とした三重県新型コロナ克服生産性向上・業態転換支援補助金を創設いたしまして、例えば自動車向けへプラスチック製造技術を生かした感染防止用品の開発だとか、既存顧客ネットワークを活用したネット販売の開始など、中小企業・小規模企業の新たな日常に対応した取組を支援してまいりたいと考えてございます。
続きまして、据置期間終了後の資金繰り支援についてでございます。
現在、多くの中小企業・小規模企業が、厳しい経営状況下におきまして政府系や民間の金融機関から事業資金を借り入れ、事業を継続していただいておるところでございます。
例えば三重県新型コロナウイルス感染症対応資金をはじめとする県融資制度における支援の実績につきましては、2月末の時点でありますけれども、三重県信用保証協会の保証承諾ベースで約2万件、約3500億円というふうになってございます。
これらの資金につきましては、制度の開始直後に借り入れた事業者は、コロナ禍が早期に収束すると見込んで、短い据置期間で借り入れていることが多く、影響が長期化する中で返済が始まるため、資金繰りが厳しくなるということが懸念されてございます。
このため、県におきましては、2月15日に、新型コロナウイルス感染症対応資金におきまして、こうした事業者が借換えを行うことで据置期間を長くできるようにする制度改正を行いました。
さらに、据置期間終了後の事業継続に向けましては、借換えによる一時的な資金繰りの改善だけではなく、早期に経営改善を図り、利益の出る体質へと変えていくことがより重要だというふうに考えております。
そこで、令和3年度におきましては、新たに県内5地域に経営改善コーディネーターを配置いたしまして、返済負担の少ない据置期間中に事業者の経営改善を伴走型で支援してまいりたいというふうに考えております。
また、経営改善に取り組み、再起を図ろうとする小規模企業に向けましては、既往債務を最大15年の長期で借換えすることができる小規模事業資金の新たなメニューを令和3年度に創設いたします。返済負担を軽減しながら、余裕を持った返済計画に基づき、しっかりと経営を立て直すことができるよう取り組んでまいりたいと思っております。
いずれにしましても、今後もあらゆる施策を活用して、中小企業・小規模企業の資金繰り、業態転換等を下支えし、経営を立て直しながら売上げ向上や製品開発など、企業価値向上につなげていただけるよう金融機関や商工団体等と連携し、事業者に寄り添った支援をしっかりと行ってまいります。
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村林聡
御答弁ありがとうございます。
たくさん御答弁いただいたんですけれども、特に気になる部分を再質問させてもらいたいと思います。
ちらっと地域課題の解決にも取り組むという言葉があったんですけれども、それはこの業態転換の中で、先ほど新たなビジネスの創出の可能性にも触れていただきましたけれども、そうしたことで、例えば買物難民であるとか、そうした地域課題の解決につなげていくことのできる可能性があると見ておられるという理解でよいのか、そこを確認したいと思います。
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雇用経済部長(島上聖司)
先ほど御説明いたしました業態転換に係る支援というのは、補助金等を通じまして行っておるわけでございますけれども、そうした事業者ベースの業態転換の御努力、それを踏まえまして、いろんな社会的課題につながるというふうに見込んでおります。
ですので、今議員がおっしゃいました買物難民とか、それを具体的にどういうふうに解決していくのかというのは、事業者のアイデアによるところが大きいかと思いますけれども、そういう事業者のアイデア等を積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。
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村林聡
御答弁ありがとうございました。
そうすると、今回の業態転換を支援していく中で、例えば地域の個人商店を支援する中で、もちろんその個人商店のほうのニーズとかやる気にも依存するんでしょうけれども、例えば買物難民と呼ばれる方々への支援につながっていくという、やはり理解でよかったというふうに受け取らせていただきました。
たしかみえ産業振興ビジョンを策定する際に、ビジネスによって地域課題を解決していくという内容を盛り込んでいただいておるはずであります。それにも合致する内容でありますので、ぜひとも積極的に、受け身の姿勢ではなくて、ピンチをチャンスにぐらいの意気込みで、そうした地域課題の解決につながる取組をぜひともよろしくお願いしたいと要望いたします。
ほかにも、融資の話で、非常に短い据置期間で借り入れている分の借換えについての対応をいただくということでありますとか、令和3年度に新たな融資を創設するというような御答弁もあったかと思います。
ぜひともよろしくお願いしたいと思うんですけれども、三つ要望したいと思います。
困ったときにする借金というのは、やはり厳しいものがあるという声を聞いております。借金でない支援の在り方についても御検討いただきたいと要望します。例えば資本注入というような手法も研究されているように聞き及んでおります。
もう一つ要望します。
売上げ減少よりも、未収金のほうが経営上苦しいという声を聞きました。今は支援の基準として、売上げ減少何十%以上とかというふうになっていますが、それらに加えて、支援対象を決めるときの基準として、未収金に目を向けることができないか、これについても検討、研究をお願いします。
もう一つ、地域の個人商店への支援についてですが、商工関係団体と地域活性化という枠組みで行うことができないか、検討をお願いいたします。
この項目の最後に、あるマダイ養殖業者から聞いた言葉を御紹介します。それは、マダイ養殖業が世の中に必要なのかどうか、選択を受けることになる。必要なら残るというものです。
これは水産業に限ったことではなく、あらゆる業種業界が直面していることなのだと思います。公務員や政治家も人ごとではなく、心してかかる必要があると思います。どうかよろしくお願いいたします。
では、次の項目へ移ります。
大きな6番、SNSを活用した行政サービスについてに入ります。
SNSと言われるLINEやフェイスブック、ツイッターなどは、利用するのに料金はかかりません。無料です。では、どうやって収益を上げているのか、もうけているのか。
それは、例えば無料であることでたくさんお客さんを囲い込み、そのたくさんのお客さんの利用情報を使って、ビッグデータなどといいますけれども、効果的な広告を打つことなどによってもうけているわけです。
つまり、これらのサービスの利用者は、無料である代わりに利用情報などを提供し、事業者側は、利用者が増えれば増えるほど、手に入る情報の量や精度が上がってもうかるという仕組み、ビジネスモデルであるというわけです。
私は、まず基本的には、この商売形態に行政は加担するべきではないと考えます。一方、これらのSNSをはじめとする無料のウェブサービスと全く無縁で生活するのも難しいという現代の時代背景の中で、既に十分に普及したこうしたSNSなどを行政サービスに活用することを否定するものではありません。
私が申し上げたいのは、特定企業のSNS等のアプリなどをインストールしたり、使用したりしていないと行政サービスが受けられないということのないようにすべきだということです。
そこでお伺いします。
SNSなどを活用した行政サービスを行う場合、並行して一般的なメールやウェブサイトなどで同等のサービスを受けられるような代替手段を用意すべきと考えますが、御所見はいかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。
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総務部長(紀平勉)
それでは、特定のアプリだけに頼るのではなくて、代替手段も設けるべきだということについてお答えさせていただきます。
県では、現在、スマートフォンとともに身近な存在となりましたSNSのアプリケーションを活用いたしまして、行政サービスといたしまして行政情報の発信のみならず、新型コロナウイルス感染拡大防止のための施設、あるいはイベント会場等の訪問、利用の際に任意に御登録いただいた情報から、感染された方と同じ場所を同じ時間帯に利用されていた方に一斉に通知することができるシステムの導入、あるいは消防団員の方々から収集しました災害時の現場情報、これをAI技術等活用しましてマッピングすることによりまして、被害の可視化を図りまして災害対策活動の充実、あるいは効果的な避難情報の提供につなげていくための取組などについても行っているところでございます。
こうした取組につきましては、県民の皆様にとりまして利便性が高く、それぞれのニーズに合った行政サービスを選択して利用していただく手段として、非常に有効であるというふうに考えております。
一方で、村林議員の御指摘ありましたように、当該アプリケーションを利用できない、あるいは利用する意思のない方におかれましては、ほかのアプリケーション等の活用を含めた代替手段を設けるなど、全ての県民の皆さんが同じ行政サービスを利用できる環境、これを充実させていく必要があると考えております。
しかしながら、現時点におきましては、こうした課題への対応として、国で用意されました専用のサービス、これが利用できる場合はありますものの、即応性が求められるなどの観点から、利用者の多い特定のアプリケーションによるサービスを活用せざるを得ない状況にございます。
セキュリティーの観点でございますけれども、これらのアプリケーションの活用を進めるに当たりましては、通信・データの暗号化、あるいはアクセスログの管理、不正アクセスの防止など、個人情報の漏えいを防止するための保護対策を徹底しているほか、利用者に対しましてもシステム利用規約、これを明示いたしまして、同意の上で利用していただいているところでございます。
今後、DXを推進していくに当たりましては、誰一人取り残さない、人にやさしい行政サービスを提供していくため、SNSをはじめといたしますアプリケーションなどのデジタル技術の動向、あるいは先進事例、国の取組などを注視しながら、さらに効果的な取組が実現できますよう研究してまいりたいと考えております。
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村林聡
御答弁ありがとうございます。
代替手段を確保していくこと、これを取り組んでいただけるという御答弁だったと思いますので、今後、様々な事業を組み立てるときには、この視点をしっかり持っていただきたい。今後、デジタル社会推進局ができるとするならば、そこへ引き継いでいくということになるのかもしれませんけれども、その視点をしっかりと持っていただきたいと思います。
様々な先進技術や先行的な取組においては、どうしてもやむを得ない場合も一定あるという御答弁だったかと思います。
そうした場合には、やむを得ないのだということや、その場合はどういう利用規約になっておるのかということをしっかりと議論した上でやっていくということを、ぜひともお願いしたいと思います。各部ともしっかり連携しながら取り組んでいただきたいと思います。
ところで、少し話も変わるんですけど、県教育委員会と意見交換をさせてもらって分かったことなんですが、遠隔授業などのオンラインに対応するために、G Suite for Educationという無料のグーグルのサービスを利用しているそうですね。なので、県立高校生徒全員がグーグルのアカウントを取得しているとのことです。このグーグルのサービスの利用規約は、文部科学省の基準に合っているということですし、このコロナ禍の中で必要なサービスでもありましょうし、否定するものではありません。
しかし、単に現在の利用規約を見るだけではなく、その裏、その先にどういうビジネスモデルがあるのかという検討が必要でしょう。また、将来、受け入れられないような利用規約の変更があった場合にどうするのか、あるいは無料サービスが終了した場合はどうするのか、そういった検討も慎重にしておく必要があります。
これは、県の教育委員会を責めておるわけではないですかね。あらゆる事業を組み立てるときにこうした検討が必要だと思います。日本で昔から言うように、ただより高いものはないということだと思います。
時間が押してきましたので。でも、1点だけ、知事は、先日の代表質問の答弁の中で、デジタル化は手段であって目的ではないという旨の答弁をされておられました。全く同感であります。
ただ、ペーパーレスという言葉が気になっておりまして、ペーパーレスというのは、デジタル化した結果、紙の使用が減るということはあるでしょうけれども、ペーパーレスという言葉を使った途端、紙をなくしていくのが目的化していってしまうというのが大変気になっておりますので、知事と思いは同じではありますが、お気をつけいただきたいと申し上げておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
では、大きな7番、歯と口腔の健康づくりと条例改正についての項目に入ります。
新型コロナウイルス感染症をめぐる一連の問題が長く続いている中で、我々は新たな日常というコロナ以前とは違う日常生活を送っています。
外出自粛や在宅勤務といった流れは、ともすれば運動不足や食生活の乱れなどを引き起こしやすいなどとも言われています。生活の乱れから虫歯や歯周病が悪化すれば、そこから肺炎につながる場合もあるなど、歯と口腔の健康と全身の健康は密接に関連していると聞きます。
また、外出自粛で人との会話の機会が減ってしまうことで、口の働きが低下し、飲み込む力が弱くなって、誤嚥性肺炎の可能性が高まることも心配されています。
さらに、歯の定期的な検診の機会が減れば、それだけ患部の発見が遅れ、症状が悪化することにもつながりかねません。
そこでお伺いします。 折しも約8年前に議員提出条例として制定した、みえ歯と口腔の健康づくり条例が今般改正されることになったわけですが、この条例改正の趣旨や、それを踏まえ、令和3年度はどのように歯と口腔の健康づくりに取り組んでいくのかお聞かせください。
また、あわせて、虫歯や歯周病以外で大切な歯を失う原因として、歯が割れたり折れたりする破折、破れる、折れると書く破折というものがあると聞きますが、この破折に対してもどのように取り組んでいくのかお聞かせください。御答弁をよろしくお願いいたします。
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医療保健部長(加太竜一)
それでは、みえ歯と口腔の健康づくり条例の改正趣旨及びそれを踏まえた来年度の取組、破折も含めた取組ということでお答えをさせていただきます。
平成24年3月に条例制定以降、県では条例に基づき、みえ歯と口腔の健康づくり基本計画を策定しまして、環境の整備を進めることを目指して取り組んできたところでございます。
条例の制定から8年が経過しまして、本県における医科歯科連携の推進やフレイル対策などの歯科口腔保健の推進に係る取組の進展を踏まえまして、今般、条例の改正を行ったところでございますが、条例の改正に当たっては、施策の基本的事項の見直しを行いまして、高齢者等への歯科検診やフレイル・オーラルフレイル対策等の介護予防サービスを受けることができる環境の整備に関すること、医科歯科連携の推進に関すること、スポーツ等によって生じる歯の破折や唇の裂傷といった口腔の外傷等の予防に関すること、事業所における従業員の健康管理による歯と口腔の健康づくりの推進に関することなどを新たに盛り込んだところでございます。
条例改正を踏まえ、今後ですが、コロナ禍にあっても、県民の皆さんの歯科口腔保健が一層推進するよう、乳幼児、学齢期、青年期、壮年期、高齢期の特徴に応じた対策に取り組んでいくとともに、障がいのある方や疾病のある方などに対して、その状態に応じたきめ細かな対策を、市町、関係機関が役割分担し、相互に連携しながら計画的に推進していきたいと考えてございます。
その中で、議員からも御指摘がございました、新型コロナウイルス感染症の影響による受診控えなどにより、虫歯や歯周病の発見が遅れ、硬いものをかむなど、何らかのきっかけでは歯の破折などに陥って、歯を喪失することのないよう、定期検診、受診というのが一番大事と思いますので、歯科検診をしっかり受けていただけるように、市町、関係機関と連携して取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
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村林聡
御答弁ありがとうございました。ぜひ様々な取組を今後ともよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
特に歯が割れたりする破折について、条例にスポーツ外傷が入ったことは高く評価させていただきます。ありがとうございます。
私のほうで聞いたのは、高齢者の方から、虫歯でも歯周病でもないのに歯が割れて抜くことになったという話でした。私のほうで調べてみましたところ、一説には、歯を失う原因の10%、1割もがこの歯が割れるということによるそうです。
ぜひ県としても研究し、歯科医師会とも情報共有しながら、連携して取り組んでいっていただきたいと要望いたします。よろしくお願いします。
では、大きな8番、三重県子ども条例と教育現場での取組について入ります。
この子ども条例制定から10周年の節目を迎えます。この条例には四つの権利が定められておりまして、その柱の一つとして、育つ権利が位置づけられています。
というわけで、今回は特に、教育現場での取組についてお伺いします。
教える側と教えられる側というのは、上下関係ではありません。教える、教えられるは共同作業などと聞きます。指導はもちろん必要です。時には気安さも必要でしょう。しかし一方、魂と魂、個と個としては対等であるべきです。
卒業式などを見せていただくと、起立、礼、着席という言葉の代わりに、立ちましょう、座りましょうになっていたりしますが、こういう言葉狩りなどではない、もっと根源的な取組が必要であると考えています。
そこでお伺いします。
ここまで申し上げたような上下関係ではない、個と個の教育・指導の実現に向けた根源的な取組についてお聞かせください。よろしくお願いします。
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教育長(木平芳定)
御答弁申し上げます。
学校の授業では、教員の説明を受動的に聞くのではなく、グループ活動で自分の意見を伝え、互いの意見を認め合い、考えをまとめるといった子ども主体の学習を大切にしています。
県教育委員会でも、例えば三重県いじめ防止サミットを開催し、小学生から大人までの意見を出し合い、いじめをなくすメッセージを取りまとめました。
これからの変化の激しい時代におきまして、一人ひとりの個性や考え方が尊重されるとともに、多様な他者と協働して豊かな未来をつくっていく力を育むことが重要であると考えます。
引き続き市町教育委員会と連携し、子ども主体の学習活動や、思いや意見を表明できる機会の充実に努めてまいります。
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村林聡
今後とも絶え間ない取組をよろしくお願いします。時間となりましたので終結します。ありがとうございました。