平成28年第1回定例会-3月2日-05号

  • 村林聡

    度会郡選出、自民党会派の村林聡です。よろしくお願いします。
     では、発言の通告に従って、順次質問してまいりたいと思います。
     まず、大きな1番として地方創生、そして、(1)として定住のための仕事創出についてというふうに置かせていただきました。
     まずは、大きく問題提起をさせていただきます。
     土地を所有し続けることができないという声を地元から聞くようになってまいりました。例えば茶畑を持っておられる方は、採算が合わないとか後継者がいないとか転用もできないと、そのようなことをおっしゃっておられます。また、例えば建設会社さんは、会社を閉めなければならないようなことになるかもしれないんだけれども、子どもも要らないと言っているし、売ろうにも買い手はいないし、このまま固定資産税も払い続けられないなというようにおっしゃっておられます。こうした問題が、個人、法人を問わず、また、農地、山林、宅地を問わず、起きてきておるのであります。
     これから、こういう土地が非常に増えて、向こう10年ぐらいで大問題になるだろうと考えられます。こうした深刻な問題が進行してきているということを、まずは提起させていただきます。
     この問題は、各施策段階では認識いただいている部分もあるとは思いますが、解決のためには、前例踏襲ではない、総合的、根本的な、新しい視点での取組が必要になることを申し上げます。
     では、なぜ、そもそも土地を所有し続けられなくなってきているのかというように考えてみますと、これまではそれぞれの土地を産業として守ってきたものが成り立たなくなってきている、それぞれの土地の上で行われてきた人々の営みが続けられなくなってきているということです。つまりは、それぞれの土地を守ってきた人がいなくなるということだと考えると、この土地の問題と、そして、人口の面から問題を捉えようとする地方創生は、同じ軸の上にある、裏表の関係にあるとも言えます。
     そこで、知事にお伺いいたします。
     条件不利地域において連綿と人々が営みを紡ぎ続けていくためには、定住の視点で、大きくもうからなくても持続可能な仕事を創出することが重要であると考えます。三重県まち・ひと・しごと創生総合戦略もできたことでありますし、改めて知事の決意をお聞かせください。御答弁をよろしくお願いします。

  • 鈴木英敬知事

    条件不利地域における社会減対策を進めるためには、定住促進の視点から、持続可能な仕事を創出することが重要だということにおいての私の決意をということでございました。
     南部地域をはじめ、地理的、経済的に不利な条件にある地域については、過疎化、高齢化が急速に進展しており、コミュニティの維持が大変厳しい状況となっている地域もあることなどから、県版総合戦略において県独自の視点として条件不利地域への対応を位置づけたところであり、これまでの南部地域活性化の取組の成果や課題等も踏まえながら、施策を充実・強化していきます。特に仕事の創出は、若者の定着やU・Iターンの促進、都市部からの移住の促進などにつながるものであり、地域の活力の維持向上に向けて最重点で取り組んでいきたいと考えています。
     条件不利地域においては、都市部からの時間距離が長いなどの様々な課題がある一方で、自然や食材、文化、伝統などの地域ならではの資源が豊富であり、そうした資源を地域での持続可能なビジネスにつなげることで、都市部では実現することのできない心豊かな暮らしを送ることも可能だと考えています。
     このため、例えば、U・Iターンの若者による農村資源を活用した新たなビジネスへのチャレンジに対する支援や、中山間地域農業を起点とした新たな就業機会の創出を目指すプロジェクト、農山漁村の資源を生かした地域観光の創出や交流ビジネスに取り組む地域のブラッシュアップ支援など、条件不利地域において新たな取組を展開するための事業費を、平成28年度当初予算及び平成27年度2月補正予算に計上したところであります。
     地域で生まれ育った方も、移住などにより新たに地域での生活を始めた方も、誰もが夢や希望を持って安心して暮らし続けていけるよう、農山漁村の暮らしの魅力を広く発信するととともに、地域資源を生かした新たなビジネスモデルの構築を促進するなど、持続可能な仕事の創出と雇用の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。
     知事の決意を聞かせていただきました。
     県独自の視点ということで、国の地方創生という大きな枠組みの中ではありますけど、県が独自の視点として条件不利地域への対応が必要だというふうに考えていただいたということ、大変ありがたいと思います。そして、仕事の創出というのは最重点だというようにも、今、力強くおっしゃっていただきました。大変感謝いたします。
     そして、次の質問なんかにもかかわっていくのかなと思うんですけれども、地域資源を生かした新たなビジネスモデルの構築なんていうことにも取り組んでいただけると、そういうふうにお話を聞かせていただきました。この後、ビジネスモデルというのとは少し違う観点かもしれませんけど、仕事モデルというような質問もさせていただきます。ぜひ、今後とも、今、決意いただきましたし、ずっと以前からも御議論させていただいておる中で力強く取り組んでいただいておることに感謝を申し上げ、引き続きお願い申し上げます。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます。
     では、次の項目の、大きな1番、地方創生の中の(2)南部地域における仕事モデルの開発についてという項目へ入りたいと思います。
     来年度の予算で、若者定住のための奨学金返還支援事業が計上されています。この事業には全く感謝の言葉しかありません。ありがとうございます。若者定住につながる直接的な事業として大変期待しております。
     しかしながら、この事業の支援を受けるためには、きちんと生業を持つ必要があります。仕事をその地域で持つ必要があります。この事業の効果を高めるためにも、しっかり仕事を創出していかなければならないと考えております。
     一般的に、農林水産業だけでは必要な現金収入に不足する面がありますので、地域課題を解決するようなその他の仕事と組み合わせるという、そういう仕事モデルの開発について、これまでも議論してまいりました。その部分で、島根県では新しい取組が始まってきておりますので、御紹介したいと思います。映写資料をよろしくお願いいたします。(パネルを示す)
     「島根県は『半農半X』を応援します。」というような資料なんですけれども、私の言っている仕事モデルとまるっきり同じというわけではありません。例えばU・Iターンの皆様へという感じなんですけれども、私はまず、その地域でしっかり残れるような仕事モデルをつくってほしいと、その上で、外からU・Iターンするというような考え方でありますし、これは農業だけに限っておるわけですけれども、農林水産業全般との組み合わせということを以前から議論あるいは提案させていただいておるところであります。しかし、そのポイントは、真ん中あたりにイメージというように書いていただいておるんですけれども、農業で例えば幾ら幾らの所得目標を持ち、その他の仕事で幾ら幾らの所得目標を持って、生活していけるだけのそういう仕事を組み合わせようじゃないかというところが非常にすぐれたすばらしい取組であるなと、そのように見せていただいております。
     映写資料ありがとうございます。
     次の映写資料をよろしくお願いいたします。(パネルを示す)
     この中に半農半Xの実践が可能な病院・診療所等一覧とか、介護事業所等一覧とか、半農半保育が実践可能な保育施設であるとか、あるいは兼業先とか、酒造会社、IT会社一覧などというように、私の言い方で言うと仕事モデル、半農半Xももちろん申し上げてきましたけれども、というようなことを開発するに当たって、実際のそうした機関、施設、企業さんなんかの組み合わせ先の開拓までしっかりとして、こうしてリストアップされておるということも大変先進的なすばらしい取組であろうと、そのように考えます。
     映写資料ありがとうございました。
     半農半Xや仕事モデルという考え方については、議会全体で政策討論会議とか人口減少対策調査特別委員会からの議会意見の中にも盛り込んでいただいたところでもあります。皆さん、本当にありがとうございます。
     そうした上で、南部地域活性化局にお伺いしたいと思います。
     農林水産業が盛んで、特に人口流出が著しい南部地域において、市町と協力しながら仕事モデルの開発に取り組んでいってもらいたいと考えますということが1点目。
     もう1点として、例えば農林水産部の来年度予算には、まさに半農半Xの言葉が入った挑戦的な事業も計上していただいておりまして、単に基金事業だけではなく、部局横断的に、また、市町の取組も合わせて、本当にそれらの事業の組み合わせで定住することができるのかということを考えながら総合的に取り組んでいっていただきたいのでありますけれども、御所見はいかがでしょうか。
     御答弁をよろしくお願いいたします。

  • 地域連携部南部地域活性化局長(亀井敬子)

    南部地域において仕事モデルを考えてみてはどうかというお尋ねでございます。
     南部地域ではこれまで、若者の働く場の確保、定住の促進に向けた取組を、市町との連携によりまして、南部地域活性化基金等を活用して進めてまいりました。来年度からは、より一層定住促進を図るため、住み続けたくなる、戻りたくなる、暮らしたくなるの三つのアプローチに沿った取組を進めていくこととしております。
     農林水産業が盛んな南部地域におきまして地方創生を進める上でも、農林水産業を軸とした仕事モデルを研究していくことは有意義な取組だというふうに考えております。
     平成27年度は、南部地域ならではの特性や多様な働き方、暮らし方、地域の魅力を若者に知っていただくために、南部地域にとどまって働いている人でありますとか、都会からUターンをしてきた人などのライフスタイルや働き方を、フェイスブック、冊子などを活用して情報発信に取り組みました。
     来年度には、南部の輝くライフスタイル発信事業に取り組み、例えば半農半Xといった働き方などを実践されている人の実例も紹介などしていきたいというふうに考えております。
     さらに、農林水産業と、地域資源の活用や地域課題の解決につながる仕事などを組み合わせた、南部地域らしい仕事モデルを発掘、創出するために、市町の意向も踏まえながら、協議の場を設けていきたいというふうに考えております。
     今後、取組を進めていく中で、先ほど議員から御紹介をいただきました島根県の取組など、先進地の好事例の収集や整理に努め、農林水産部をはじめ関係部局との連携も図りながら、市町とともに研究してまいります。
     以上でございます。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。非常にありがたい御答弁をいただけたのかなと感謝申し上げます。
     まず、仕事モデルの発掘、開発は有意義であるということを認めていただきましたし、農林水産業との、あるいは農林水産業と別の仕事、それも地域課題を解決するような別の仕事との組み合わせという形での仕事モデルを考えていく中で、市町との協議の場を持っていただくというようなお話もしていただきました。また、関係部局との連携についても今後進めていってもらえるというように聞かせていただきました。本当にありがとうございます。
     また、今、先進事例の島根県も含めた収集や整理というお話をしていただきました。日本中に仕事モデル以外でもたくさんの成功事例、先進事例というのがあると思うんですけれども、それをみんな聞いたことはあるんですけれども、きちんとそれを自分の地域に当てはめたときにどうなるのかということが意外とわからないんですね。ですので、せっかく市町との協議の場を持っていただくときには、そういう先進事例の中の共通解みたいなものをまず抽出していただいた上で、それぞれの地域の特殊解のようなものを加えた、その地域ごとに共通解を抽出して、市町と協議をする中で当てはめたらどんな形になるんだろうかというようなことをあわせて研究していっていただけると、非常にまたこれも有意義なことなのではないかなと思います。要望とさせていただきます。本当にありがたい御答弁をいただきました。ぜひともそのように進めていっていただきたいと思います。ありがとうございます。
     さらに、少し要望を続けさせていただこうと思います。
     まず、移住についての要望なんですけれども、先ほど来から知事の御答弁にも局長の御答弁にも移住の部分があるんですけれども、もともと縁やゆかりのある方を対象にした移住というものを進めると地域での受け入れがスムーズで、非常にこれはいいことなのではないのかなということを、いろんな場で私は申し上げてきました。
     そうしましたところ、先日、NHKの朝のニュースやったと思うんですけれども、明治大学の小田切先生が孫ターンという言葉をおっしゃっておられるのを耳にいたしました。孫ターン、孫のターンですから、世代を超えた、またいだ移住ということやと思うんですが、私、全部しっかりと聞けなかったものですもんで、朝ばたばたしておる中で、ちょっと自信はないんですけれども、一般的に考えると、田舎で育ったんだけれども田舎のよさがわからずに出ていってしまう子どもの世代と、その子どものさらに下の孫の世代は、都市部で育ったんだけれどもかえってふるさとのよさがわかるような世代というのがおるような気がいたします。ですので、孫ターンという研究なんか、かえってお孫さんのほうがふるさとのよさがわかるというようなことがあるような気がいたしますので、ぜひとも研究していっていただきたいなということが一つ。
     それと、人口減少対策調査特別委員会でこのお話をしましたところ、資料の中で孫留学という言葉も調べてきていただいたのです。これは、都市部で生まれ育ったお孫さんがおじいさんのいるふるさとで高校時代を過ごそうという、そういう取組なんです。これはぜひ教育委員会のほうも、答弁は求めませんけれども、地域あるいは小規模校にとっても非常に重要な取組になる可能性があると考えております。おじいさんや親戚が地域に残っておりますと、高校進学のために戻ってきても、寮をつくらなくてもそこに居住先があるわけですから、またその地域のよさを知ってもらうことで将来の選択先の一つとして捉えていただくことも可能だと思うんですね。そういう孫留学ということも、教育委員会も含めて、ぜひとも今後研究していっていただきたいと、そのように要望させていただきます。ありがとうございました。
     では、続きまして、大きな2番のほうの項目へ移ってまいりたいと思います。
     農業・漁業の後継者対策というようにタイトルを置かせていただきました。
     これは玉城町で聞いた声なんですけれども、それぞれの農業者さんが自分の持っている農地を自作できなくなってきていると。できれば、せめて集落単位で耕作したいと思っているんだけれども、それも難しい。玉城町全体の人口は見かけ上増えてきているんだけれども、農業集落というふうに見ると滅びかけているし、農地は泣いているんだと。こういうことを私におっしゃった方がありました。
     人口が南部地域で唯一増えている玉城町でこういうことが起きているということは、南部だけではなくて北勢や中勢、伊賀地域でも起きているんじゃないのかなと、そのように心配いたします。そこで、集落を支える人材を育成しなければならないなと、そのように私は考えます。
     担い手対策として年間150万円の助成金があると聞いておりますけれども、親の後を継いで農業を始める場合には対象にならないというようなことも聞きます。後継者というのは最も有力な担い手であります。しっかり後を継いでもらえるよう支援をするべきだと考えますが、いかがでしょうか。
     また、漁業者が親の後を継いで漁業を始める場合の支援制度についても同様の問題があると聞いておりますが、いかがでありましょうか。御所見をお伺いいたします。
     よろしくお願いします。

  • 農林水産部長(吉仲繁樹)

    農業及び漁業の後継者、特に跡取りとしての対策について御質問ですので、少し分けて御答弁をします。
     まず、農業についてですが、本県において農業に本格的に就業、就職する45歳未満の新規就農者数は平成22年度から増加傾向にありまして、平成26年度には135名となっています。今、御質問にありました青年就農給付金制度について、平成24年度から始まったわけですが、45歳未満の新規就農希望者が農業大学校や先進農業者のもとで研修する場合に支援する準備型給付と、独立・自営就農者等の就農後5年目までの経営を支援する経営開始型給付があり、親の後継ぎとして就農する場合には5年目までに親から子に経営を継承するという条件がつきますが、この制度は活用いただけます。
     また、後継者の定着状況について見てみますと、法人化とか、あるいは就業環境の整備などにしっかり取り組んでいる経営体において、やはり後継者が定着しているという事例が多いことを踏まえまして、子どもへの経営の継承を考えています農業者などの皆さんに対して税理士や雇用アドバイザーを派遣するなど、就業環境の整備を促進しているところであります。
     今後もこうした国の支援制度を活用しながら経営体の育成強化を図り、親の後を継いで就農する若者が増えるように取り組んでまいりたいと思います。
     一方、漁業関係でございますが、本県の平成26年度の漁業への新規就業者は44名、うち県内漁家出身者は20名程度で、約半数程度が出身者ということです。このため、担い手の確保に向けて、より確実な定着が見込める漁家子弟が親の後継ぎとなれるよう促進していくことが重要と考えています。
     漁業への就業に向けて漁業学校等で学ぶ就業希望者に対して支給される、これも国の青年就業準備給付金がございまして、漁家子弟であっても独立自営や親と共同経営を目指す場合には利用が可能でございます。また、新規漁業就業者が漁業現場で実地研修する場合に研修費を助成する長期研修制度は、4親等以上という条件がつきますが、4親等以上の漁業者のもとで研修をすれば、研修終了後は親の後継ぎとなっていただくことが可能です。
     今後も引き続き、制度の周知、研修先のあっせんなどを行い、国の制度を活用することで、漁家子弟が親の後継ぎとなれるよう支援してまいりたいというふうに考えています。
     以上でございます。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございました。
     国の制度ということで、そういう御説明をいただいたと思います。
     例えば農業の場合は、5年で継承が条件というようなことで条件はつくけれども、親元で就農するということが一定、少し条件緩和されておるというふうにお聞きしましたし、県は独自でといいますか、後継者が必要だという観点から、税理士を派遣するなどというような対策をしていただいておると、そのように聞かせていただきました。
     また、漁業のほうは、それに比べると少し条件が厳しいのかなと思うわけですけれども、4親等以上でないといけないという御答弁だったと思うんですが、しかし、県としては、後継ぎが、後継者というものが重要なんだということは考えているということを御答弁いただいたと、そのように聞かせていただきました。
     ぜひ国のほうへ、やっぱり根本的に後継者が大事なんだということであれば、今、一番最初に冒頭提起させていただきましたように、前例踏襲とか既存の考え方、一種の財政規律みたいな考え方で多分入っておると思うんですが、そうしたことでは解決できない問題が出てきておるという中で、農業のほうは少し改善してきておると思うんですけれども、国のほうへ、制度をより実態に応じた、後継者ができるというような制度へ改善していくように要望していただきたいということと、今、本当に県はそういう中で苦心していただいて、運用のほうでいろいろ工夫をしていただくことで改善していただこうとしているところも感じさせていただきましたので、ぜひお願いしたいと思います。
     特に漁業のほうは、4親等以上ということですので、例えば集落の中でお互いの子どもを教え合ったりするということであればこの制度が利用できるということだろうと思います。そういったこともしっかりと進めていただければ、それはそれで有意義な、集落の中のコミュニティとしてこれが進むのであればそれはおもしろい姿なのではないのかなというふうには感じさせていただきました。
     国の制度であるということを置いた上で、もう一度県として考えさせてもらいますと、やはり後継者が重要だということは認識していただいておるわけですので、後継者ができるということを設計していただいて、そのための仕組みというのを確立できるように、今後しっかり取り組んでいっていただきたいと、そのようにこの点については要望させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
     そして、ちょっと再質問させていただきたいんです。
     特に漁業者の部分についてちょっと絞って聞かせていただきたいと思うんですけれども、今回、水産振興の指標として生産額というのを目標に置いていただいております、漁業者1人当たりの。所得の向上と後継者対策は鶏が先か卵が先かという議論があると思うんですけれども、所得向上は有力な後継者対策だというのは非常に水産の世界ではよく聞く言葉です。先ほどの仕事モデルの話にも関係はしてくるんですけれども、後を継ぐなりして漁業を始められた方などの所得を伸ばすというような個別具体的な取組についてはどういうふうに行っておられるのかお聞かせいただきたいと思います。御答弁をお願いします。

  • 農林水産部長(吉仲繁樹)

    新規に就業された方がまず大事なのは、所得が安定するということやと思います。特に新規就業者は、漁船や漁具の購入など、大きな初期投資が必要でありますし、技術が十分備わっていないというようなことで、特に漁獲高が不安定で、やっぱり収入が不安定であるというようなことで、漁業への定着に大きな課題になっているというふうに認識しています。
     このため、県では平成26年度から、漁家子弟を含めた新規就業者の初期投資費用を軽減するため、漁協が行う新規就業者への漁船リースや漁具等の整備費用に対して独自の補助を行わせていただいています。
     また、就業直後の新規就業者の皆さんの所得確保対策として、漁に出られないような期間を活用して、例えば漁協が新規就業者を臨時雇用する、そういった取組への支援も行っています。このほか、特に地域機関にあります県の水産普及指導員等が市町や漁協と連携して、漁業種類ごとにきめ細かな技術相談、あるいは技術の早期習得に向けた支援をさせていただいておるところであります。
     今、議員の御紹介がありました三重県水産業・漁村振興指針においても、漁業者の生産額の向上ということを今回新たに設定いたしました。これは、後継者からさらに、いわゆる通常の漁業を営む方々が、当然所得を上げていただくということが大事なので、そういったことも含めてのことですけれども、例えば、養殖であれば協業化によるコスト低減、あるいは、アサリ等でいきますと、やはり今一番減ってしまうので、藻場、干潟を造成して資源を確保するとか、あるいは、漁業の魅力を発信する、さらには、いろんな6次産業化、最終的には輸出まで持っていけるような、そういった力強い漁業を進めていくというようなことを総合的に進めることによって、生産額向上、ひいては所得の向上が図られて、若い人たちもそれに向かってやっていくというような、そういう形で進めていきたいというふうに考えおります。
     以上でございます。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。
     水産業・漁村振興指針の指標でもありますし、あらゆる施策を総動員する中で所得の向上を目指していくというような御答弁かなというふうに聞かせていただきました。しかし、そういう中でも新規就業者の所得の安定が大事だということで、漁協への臨時雇用であるとか、普及員を通じた個別具体的なきめ細やかな対応もしていただけるというふうに聞かせていただきました。ありがとうございます。
     また、今はもちろん、当然農林水産部ですので、その範囲の中で答えていただいたと思うんですけれども、先ほどの仕事モデルの中の話もありましたけれども、言葉は少し乱暴かもしれませんけど、いろんな方面から寄ってたかってというんですか、部局横断的にいろんな形で所得を安定させていくということも、今後の長期的な課題といいますか、今すぐにはあれかもしれませんが、少し発想の転換も必要なのかもしれませんが、またそういうこともあわせて研究していっていただけるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
     1点、ちょっと伊勢志摩サミットのことに触れさせてもらおうと思うんですけど、この間、少し団体さんとお話をしたら、3月ごろ、各国が来るような機会があるらしいんやけど、本番はもちろんのこと、三重県の農林水産物をぜひともそういう機会にも提供してほしいなというような感じで、とにかく、よくはわからない中で非常に気をもんでおられるという印象を受けましたので、特に気をもんでいただいておるような団体さんに気をもまさないというんですか、ぜひ連携を密にしていっていただきたいと要望させていただきます。
     では、大きな2番の項を閉じさせていただきまして、大きな3番に入ります。
     被害状況に対応した獣害対策というようにタイトルを置かせていただきました。
     地域からあった声なんですけれども、頭を真っさらにして白紙から獣害対策というものを考えてみると、例えば農業に被害があって、その加害個体についての退治の依頼が出て、その依頼を達成すると報酬が出るというようなのが、真っさらに考えたときにあり方なんじゃないのかなという、会社の経営をなさっておられる方だったので、そういうならではの視点なのかなというふうに聞かせていただいたんですけれども、こういうお話をいただきました。
     そこでお伺いしたいんですけれども、イノシシや鹿への対策として、そうした被害の状況に対応した効果的、効率的な捕獲というものを進める必要があると考えるんですけれども、御所見はいかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。

  • 農林水産部長(吉仲繁樹)

    被害状況に対応した獣害対策ということについてお答えを申し上げます。
     県内の野生鳥獣の捕獲頭数は、国の交付金などを活用した事業によりまして確実に伸びておりまして、鹿、イノシシ、猿の合計は、平成26年度にこれまでで最も多い約3万3000頭を捕獲しました。
     捕獲頭数の増加などにより、農林水産業の被害金額は確実に減少しているものの、集落代表者に対して行っていますアンケート調査では、まだまだ被害が軽減したと実感している集落が少ない状況でございます。
     このため、集落の皆さんに被害が本当に軽減されたと実感していただけるよう、被害や捕獲の状況などの情報を分析し、地域に即した効果的な捕獲を促進していく必要があると考えています。
     平成26年度より、ニホンジカ、イノシシを対象に、これまでの捕獲や被害の状況を一元的に地図にあらわした獣害情報マップを作成しています。このマップは、被害が大きく目撃情報も多いものの、まだ捕獲が進んでいないようなエリアの特定などに活用することができます。
     また、この獣害情報マップを市町の皆さんに提供し、具体的な捕獲体制や効果的な捕獲方法を定める捕獲促進プランの作成に向け活用していただいており、プラン作成に向けた技術的なアドバイスなども行っているところでございます。
     捕獲促進プランについては、既に南伊勢町など七つの市町で作成をいただいておりまして、今年度中には新たに五つの市町が作成いただける予定となっています。
     今後は、獣害情報マップを市町が利用、加工しやすいよう、GISデータで提供し、利便性の向上を図ってまいります。また、市町の捕獲促進プランの作成等を引き続き支援するとともに、広域一斉捕獲や集落の共同捕獲によって効果的、効率的な捕獲を進めることで、地域の皆さんが被害の軽減をより実感できるよう取り組んでまいりたいというふうに考えています。
     以上でございます。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。
     被害の状況と捕獲の状況を一元的に地図にあらわした獣害情報マップというものをつくっていただいておると。事前の意見交換でも少し見せていただきましたけれども、被害状況と、あるいは5キロメッシュ、1キロメッシュの範囲の中に実際とった頭数を当て込んでいってもらっていて、それがきちんと対応しているかどうかということが見れるような地図だというように拝見させていただきました。すばらしい取組であると思います。ぜひ、今の話と非常につながったいい取組をしてもらっておると思うんですけれども、要望ですが、より被害と捕獲を対応させていくという、そのための政策的な誘導策というのも今後考えていただきたいと思います。
     一応、一方で頭数管理の考え方を否定するものではないということは念のため申し上げておきたいと思います。ものではないということは否定するものではないと。一方で多過ぎるわけですから、頭数を減らすためにとるということももちろん必要なのではあります。
     一つ再質問させていただきたいと思うんですけれども、有害捕獲に協力してくれた方への現在の優遇策というのはどういったものがあるのでありましょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。

  • 農林水産部長(吉仲繁樹)

    有害捕獲に協力してくれた方への優遇措置ということでございますが、現在、有害捕獲の従事者の皆さんに対して、市町が国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用しまして捕獲経費等への支援を行っています。
     県においても、国の交付金事業の対象とならないような、例えば狩猟期間における緊急的な捕獲のための経費に対しまして、独自の支援も行わせていただいています。
     また、有害捕獲従事者への優遇措置としまして、猟銃の所持許可の更新時に必要となります技能講習を免除する、あるいは狩猟税についても減免を行っているところであります。
     今後も引き続きこうした有害捕獲の促進に向けた措置を講じていくとともに、地域の捕獲体制づくり、捕獲者の確保・育成、新たな捕獲技術の開発などに取り組み、地域の捕獲力の強化に取り組んでまいりたいというふうに考えています。
     以上でございます。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。
     講習の免除とか狩猟税の減免みたいな話は少し聞いたことがあったんですが、有害捕獲の経費そのものへそういう補助を支援するというのは初めて聞かせていただきました。ぜひ、今後も有害捕獲が進むように、わななども含めて、今、猟銃所持の方の話が比較的多かったと思うんですけれども、より進むような誘導策をとっていただきますよう要望させていただきたいと思います。
     もう一つ要望なんですけれども、先ほどの仕事モデルの話にかかわるんですが、獣害対策というのをそもそもという感じで考えていくと、限られた予算の中で、人類が鹿、イノシシや猿の天敵の肩がわりをしておるというふうにも見ることができると思います。獣肉処理施設ができたところでは鹿が減ったというようなお話なんかも聞かせていただいておりますので、そうした民間の力も活用する中で、簡単ではないと思いますが理想だけ言いますと、仕事モデルの一つとして、地域課題を解決する仕事の一つとしてこうした獣害対策というものが位置づけられれば非常にすばらしいのではないかと思います。要望とさせていただきます。また研究していただければと思います。よろしくお願いいたします。
     では、大きな4番のほうへ移りたいと思います。
     地域内経済の循環についてというように置かせていただきました。これも非常に素朴な発想から来ておるんですけれども、外から地域にお金が入ったときの話です。
     今回の伊勢志摩サミットというのもそうでありましょうし、ふだんの農林水産業もそうでありましょうし、公共事業における建設業なんかもそうだろうと思うんですけれども、外から地域にお金が入ったときに、外貨という言い方をしていいのかちょっとあれですけれども、すぐに東京などの大都市圏へまた出ていくと、入ってすぐまた出ていくというようなことでは、これは波及効果がないと思うんですね。できるだけ長くその地域でお金が回るようにしなければならないと思うんですよね。
     お金が入ってくる、そこからお給料を払う、お給料をもらった人が日々の食料品の買い物なんかをちゃんと地元でする、家電も安いからといって遠くで買わないとか、いろいろな方法はあると思うんですけれども、できるだけ長くお金が回る足腰の強い地域経済というんですか、そういうようなものが大事だと思うんです。こういう視点、考え方を持って雇用経済部には取り組んでいってもらいたいんですけれども、御所見はいかがでしょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。

  • 雇用経済部長(廣田恵子)

    地域内経済循環の考え方についての御質問でございます。  地域経済が維持発展していくためには、域外へ付加価値の高い製品、サービスを提供することによって、議員の言葉ではお金ですか、資金を獲得し、それで地域内で良好な経済循環を図っていくという考え方も大切なことだというふうには思います。
     平成24年7月に策定しましたみえ産業振興戦略において、本県の産業構造は域外である世界経済の影響を受けやすいものであるということを踏まえて、強靱で多様なものとしていくため、何で稼ぎ、何で雇用を生み出していくのかということについて整理を行いました。
     この戦略に基づき、ものづくりを維持強化しつつサービス産業の育成強化を図り、企業が事業活動を通じて付加価値額、付加価値率を向上させ、地域雇用を維持、創出していくという産業政策を展開し、地域経済の活性化に向けた取組を進めてきました。
     具体的には、地域内での経済循環を図る事例として、県内ものづくり中小企業・小規模企業が自動車関連等の大手企業に自らの技術を売り込む技術交流会を開催し、県内、地域内における調達・受注機会の創出につなげるといったものがございます。
     また、県内企業の99.8%、雇用の86.5%を占める中小企業・小規模企業が、地域の経済活動、それから地域社会を支えるというふうに認識をしております。
     こうしたことから、県内中小企業・小規模企業の持続的な成長を図るために、平成26年4月に施行した三重県中小企業・小規模企業振興条例に基づき、人材育成、資金供給の円滑化、創業及び第二創業の促進、販路拡大に対する支援、海外における事業展開の促進など、事業者の特性に応じたきめ細やかな支援を関係機関と協力しながら実施しているところです。
     県としましては、地域内の経済循環を図ることとあわせて、経済のグローバル化の急速な進展への対応や、経済活動をさらに拡大させていくため、企業が域外に取引先を展開していくことも重要であると考えています。
     こうした状況を踏まえつつ、引き続き県内企業の高付加価値化に向けた支援等を通じて、地域経済の活性化に取り組んでいきたいと考えております。
    以上です。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。
     外からのお金の獲得と循環というのは大事だというようには言っていただきながらも、域外の影響を非常に受けやすいとか、いろいろほかの御答弁をあわせて考えますと、今のところ雇用経済部としては県域という考え方というふうにどうしても聞こえるんですね。多分、私の言っている地域内で回すというのは、その地域をどのエリアで設定するのかということは議論があると思いますし、しっかり見識を示さなければいけないとは思うんですけれども、ある程度の経済規模をもって一そろいのセットがあるような圏域、うまく言葉で言いあらわせませんけれども、何て言ったらいいんだろう。よくわらないけど、例えば松阪の圏域というのがどれぐらいの範囲になるのかとか、そういうふうに考えていって、その地域内でどれだけ回るのかというようなことなんじゃないのかなというように、私のイメージとしてはするのであります。
     今のお話ですと、あくまで一つの事例として技術交流会とか、そういうことはやっていただいてありがたいとは思うんですけれども、三重県の雇用経済部だから県域で考えるというようにしか今のところ聞こえなかったのがちょっと残念なんです。
     今後、難しいのかもしれませんが、雇用経済部として地域内で経済を循環させるという考え方を持って、あるいは位置づけて、どのように位置づけるかも難しいとは思うんですけれども、ぜひ今後、取り組んでいっていただきたいと思うんですね。今のままでは、今の御答弁では少し不安なところがありますので、ぜひお願いしたいと思います。
     また、金融機関なんかで、地域地域で生き残りをかけて、人口がこうして減っていく中で、域内再投資とかふるさと投資とか、非常に金融機関も一生懸命動いておられますので、こうした動きも今後見ていっていただきたいと、そのように思います。
     今の御答弁の中で、さらにここまで要望しても実現するのかちょっと不安なんですけれども、ここまで、仕事モデルなど個別の仕事創出の質問をさせていただいてきたところなんですけれども、そうして、そういう地域地域というのが積み上がっていて、最終的な総体として県全体の経済の姿というのができてくるわけで、そうした姿というのを描いていっていただきたいと。雇用経済部というのは本来そういう部署であるというふうに期待させていただきますので、今後、取組をよろしくお願いいたしたいと思います。
     では、最後の大きな5番の項目に入りたいと思います。
     歴史・文化資料の公開というようにタイトルを置かせていただきました。
     (1)として、県の所蔵品の積極的な公開についてと置かせてもらいました。
     これはどういうことかといいますと、ここまで住み続けられる地域にするためにということでずっとお話をしてきておるわけですけれども、住み続けられる地域にするためには、郷土への愛着とか地元文化への理解なんかを深めることが大切だと考えております。そうした中で、例えば県総合博物館や県立美術館にあるすばらしい所蔵品をインターネットなどで積極的に公開してはどうかと考えますが、どのような取組を現在なさっておられるのか、御答弁をよろしくお願いしたいと思います。

  • 環境生活部長(高沖芳寿)

    県総合博物館あるいは県立美術館等の所蔵品について、県民の方が地域への歴史、文化に誇りや愛着が持てるように、積極的に公開すべしということでございます。
     所蔵品等につきましては現在、ホームページ「三重の文化」の中に「三重の歴史・文化デジタルアーカイブ」というコーナーを設けまして、平成26年度から公開をしております。
     これは、県内の文化施設等の所蔵品や図書、あるいは行政資料等、また、指定・登録文化財など、三重県の歴史、文化、自然、これに関する様々なデータベースを横断的に検索することができるシステムでございまして、これによりますと、所蔵品等を簡単に探すことができるほか、本県の歴史、文化、自然に関する情報にいつでもどこからでもアクセスすることができるということになっております。現在、34万点を超える資料が登録されており、キーワードを入力して一度に検索が可能となっております。
     また、一部ではございますけれども、例えば江戸時代のお伊勢参りの案内書であるとか、あるいはモネとかルノワールなどの絵画については、細かな、いわゆる高精細の画像も登録をされておりまして、これを、見たいところを自由に拡大して確認していただくこともできます。県民の方により親しんでいただけるよう、そういう機能も有しております。
     今後も引き続き所蔵品等のデジタル化を行い、おっしゃっていただきましたように、県民の方が歴史、文化に誇りや愛着を持っていただけるように、閲覧できる資料を増やしていきたいというふうに考えております。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。
     デジタルアーカイブという形で34万点もの資料を載せていただいておると。一部ではありますが、モネの絵画なんかが高精細な状態で公開していただいておると。非常にすばらしい取組であると思います。ありがとうございます。
     非常にすばらしい取組ですけれども、もう一歩もし進めるとするならば、これ、議論のあるところだと思うんですけれども、利用の仕方という部分にはまだ一定の改善の余地がひょっとするとあるのかもしれないというような思いも少しいたしましたので、どこまで、フリー素材とまで行くのがいいのか、ちょっとそこは本当に議論のあるところだと思うんですけれども、せっかく公開していただいたそうした画像をどういうふうに県民の皆さんが身近に利用することができるのかなんかも、今後、私も勉強する中で議論させていただけるとありがたいかなと、そのように思います。御答弁ありがとうございました。
     大きな5番の(2)の、今回の一般質問の最後の項目ですけれども、県史編さん資料の公開についてという部分に入りたいと思います。
     くどいんですけれども、住み続けられる地域にするためには郷土の歴史というものが非常に大事かなと常々考えております。それがやっぱり誇りというものにもなるなと思っております。
     皆さんもそうではないのかなと思うんですけれども、歴史といってまず思い浮かべるのが戦国時代みたいなところがあると思うんですけれども、知事はひょっとすると幕末とおっしゃるかもしれませんけれども、どうも戦国時代の三重の姿というのは、一般的には望洋としてわかりにくいところがあるように思うんですね。例えば、北畠さんは織田信勝が養子に入った後、謀殺されておるわけですけれども、どれぐらい頑強に抵抗したんですかね。織田信長が力づくで攻め落とせないぐらいだったんでしょうかね。その辺が余り、織田信長の伝記を見ても伊勢攻めの記述って余りないような気もするんですね。
     そういうようなことから、県史の中の通史編、中世の刊行については大いに期待するところであります。また、こうした県史を今、鋭意編さんいただいておるところなんですけれども、県史編さん過程で収集した資料についてもインターネットなどで広く公開するべきだと考えますけれども、御所見はいかがでしょうか。御答弁、よろしくお願いいたします。

  • 環境生活部長(高沖芳寿)

    三重県史編さんの過程におきましては、県の内外で保管されております古文書や絵図等の原資料を御寄贈いただいたり、あるいは撮影して記録をさせていただくなど、様々な形で資料の収集をさせていただいています。
     これらの資料の公開につきましては、まず、先ほど紹介がありましたように、全29巻で構成します三重県史、これの刊行済みの23巻に掲載を行っているほか、現在編さん作業を行っております残りの巻にも掲載することとしております。
     それから、また、先ほど紹介いたしましたデジタルアーカイブ、この中でも逐次掲載して公開をしております。
     さらに、これらの資料につきましては、逐次明らかになってきたこと等につきまして、「発見!三重の歴史」等の書籍として刊行するとともに、ホームページにおいても公開してまいりました。
     このほか、県民の皆さんとか、あるいは地域の博物館等から申請があれば、本県が原資料として所有している場合、あるいはそうでない場合も写真等の記録資料のうちから所有者の許可が得られるものについては公開等を行ってきております。今後、撮影等をさせていただく資料がありましたら、そういった場合についてはその際に、県史への掲載等に加えて公開に関しても許可を得たいというように努めていきたいというふうに思っております。
     いずれにいたしましても、今後とも収集した資料の公開に積極的に取り組みまして、県内外の皆さんに、自然と歴史、文化が織りなす多様性、あるいはおもしろさを感じていただければというふうに思っております。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。  もちろん県史の編さん、刊行が第一だということは理解させていただきますので、その上で、収集するときに、今後は公開のことも考えていただけるという御答弁だったと思います。ありがとうございます。
     こうした県史編さんの過程での資料を広く公開していくことで、ひょっとすると、三重県史ということだけではなくて各地の郷土史の研究が進むかもしれません。その過程でわかったことで、例えば私の地元の愛洲さんがどういう姿だったのかというのも見えてくる部分がひょっとするとあるかもしれませんし、あるいは、そうした資料を広く公開することで、何かおもしろい歴史小説を書いてくれる人なんかもあらわれるかもしれないと思うんですね。そうしたことなんかが三重県の底力につながっていくんじゃないかと思いますので、ぜひ、大変だと思いますけれども、まず刊行ですけれども、中長期的にこうした公開についても取り組んでいただきたいと要望いたします。
     また、教育委員会も同様の部分があろうと思いますので、今後、検討して考えていっていただきたいと御要望させていただきます。
     住み続けられる地域にしたいという思いで問題提起から始めてずっとしゃべってまいりましたが、時間が参りました。どうぞ今後とも取組をお願い申し上げまして、時間が参りましたので一般質問を終結させていただきます。ありがとうございました。

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