平成23年第1回定例会-02月22日‐03号
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村林聡
関連質問のお許しをいただきましたので、青木議員の過疎の質問の部分について関連質問させていただきます。
では、早速県の過疎対策についてお伺いしたいのですけれども、そもそも県の過疎対策というものは、過疎というものが起こったからそれに対処して手当てをするというものなのか、それとも過疎そのものをとめるために行うのが過疎対策なのか、どちらとお考えなのか、県のお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。 -
政策部理事(梶田郁郎)
過疎と申しますのはいわゆる人口の著しい減少によってその地域に暮らす人々の生活水準とか生活機能、これの維持が困難になっているという状態をいいまして、そういう生活条件にも支障を来す、こういう状態の地域を過疎地域というのを当然そう申し上げたわけですが、過疎対策としましては、そういう過疎地域における住民福祉の向上とか、働く場所の創出、それと地域資源を生かした地域づくりを進めることによりまして、こうしたことによって過疎地域の自立促進、これに努めるとともに、さらには過疎地域が持ちます国土の保全、それから水源の涵養、これらの多面的な機能を発揮させまして、広く言えば国民生活に有用な役割を果たせるようにするためのものでございます。
県といたしましては、今後とも過疎地域を支援していくことが極めて重要というふうに考えておりまして、さらなる過度な人口の減少等の過疎化の抑制に努めるとともに、過疎地域の活性化、基礎的な生活条件の確保に努めまして、過疎地域にあってもそこで暮らす人々が安心して暮らせる、そのような地域づくりに全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
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村林聡
御答弁いただきまして、何か全体的なお話で、私の質問のあれがよくわからなかったんですけれども、今のお話の中には両方入っておるようなイメージもありますけれども、もう一度きちんと簡潔にお願いしたい。過疎というものをまず、ひょっとすると認識が僕と違うかもしれません。人口の減少という言い方を今なさったけれども、その過疎をとめるということをきちんとやろうとしておるのかどうか、そこをもう一度お願いします。
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政策部理事(梶田郁郎)
過疎対策というのは、いわゆる過疎地域というのが現にございますので、そこに対していかにそこに住んでいる住民の方の福祉の向上、生活の向上、そういうものを図っていくかということで取り組むものでございまして、結果的にそういう過疎対策によってそこで暮らす方々の生活水準が向上していく。そこの自立促進が進んでいくということで、過疎というものが軽減されるという言い方はちょっと不自然ですけれども、そこの負担が軽減されていくということになるんじゃないかというふうに思っています。
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村林聡
今の御答弁でどうやら、なぜ今まで私の議論と皆さんと議論させてもらう中で食い違うのかというのが少しわかったような気がします。過疎そのものの本質に手を打つのではなく、住んでおる今残った人の生活を向上させることによって人口減少を食いとめようという今の御答弁でありました。
私が今申し上げたいことは、過疎の本質、人口の減少そのものに、人口の減少というか、私は過疎の本質は住めなくなることだと思います、そこの土地に。お年寄りがお年を召して亡くなってしまう。寂しいことではありますけれども、この辺による自然減、人口減少は過疎ではないと思います。そこの土地に住めなくなって定住できないといいますか、そこに住みたいのに住み続けられないという悲劇、これが私は過疎だと思っておりまして、これにいかに手を打つのか、これが私は過疎の対策だと思っているんです。
それで、今のお話ですと住んでいる人の生活の向上をという部分が非常にクローズアップしておるような御答弁でございました。ちょっと政策部長にお伺いしたいんですけれども、部長も同じお考えでありましょうか。これを認めるということでありましたら、例えば若者が25歳になるまでに半分ぐらいになってしまうというようなことをまず前提に置いて話を進めるのか、それともここへ手を打って、若者が住めるようにするのかというところを、まず根本的な考え方としてお伺いしたいと思います。 -
政策部長(小林清人)
私は今認めた上で対処しようとするのか、それとも過疎という減少をなくそうとするのかという形の部分でいけば、それは過疎というものは認めた上で、今現在そこの部分でそういう現実がある中で、そこのところで対処しなくちゃいけないものを対処していくという形だと思います。
それはただ両面持っていると思いますので、今理事が答えたような話も、それはおかしな話でも何でもないと思うんです。今おっしゃるように、住み続けたいのに住めなくなってくる、または住み続けたいのに出ていかざるを得なくなってくる、そういうものに対してどういうふうにしていくかということは、これは梶田理事が言っていた対策の中にもそれは入ってきておると思いますので、そこは共通していると思うんです。 -
村林聡
部長のおっしゃることもわからなくはないんです。そういう対処の中でやっていけるじゃないかと、僕の思いもということもわかるんですけれども、そもそも根本の考え方としてどちらなのか。どちらに軸足を置くのかというのは非常に大事なことではないかと私は思うんです。
最後にもしよければ知事、知事は恐らく特別な思いをこの問題についてはお持ちだと思うんです。ぜひ知事から最後に過疎の問題についてどうお考えか。思いのたけを私に教えていただきたいと思うのですが、いかがでありましょうか。 -
野呂昭彦知事
過疎というのは人口減少、これは少子・高齢化等で全国で人口が減っていく。その中でよりそれが顕著に先行して出てきた現実であるということであります。
過疎対策というのは、そういう過疎の減少によって生じてきておる課題をどういうふうに解決していくんだ、どういうふうにそれに対応していくんだ、それが過疎対策であります。もちろんその過疎対策の中には生活上の利便性が失われてきたというようなことに対してどうしていくのかとか、あるいはきずながどんどん崩れてきた、これについてどうするのか、そういうものもあります。生活に着目をする。
一方では、国土保全だとか、そういう過疎の地域で非常に公といいますか、公的なものに機能を果たしておるところがありますから、そういう課題についてどうするのか。これはかなりいろんな課題があるわけで、そういうことにどう対応していくかということが過疎対策全体であろうと、こういうふうに思います。 -
村林聡
過疎によって生じた行政上のひずみに対して手を当てていくのが過疎対策だという御答弁かと思います。私の考える過疎と違うんですか。それじゃ、もう一度ちょっと簡単に。
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野呂昭彦知事
過疎の状況の中で出てきておる課題、地域課題ですね。生活上の課題、あるいは国土保全上の課題、こういったものにどう対応していくかということが過疎対策であります。
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村林聡
私は過疎の本質という部分に先に手を打っていくということがなければとまらないと、そのように信じておりますので、もう時間がなくなりましたのでここで終わりますけれども、ぜひまたこれからもお話しさせていただきたいと、そのように思います。終結します。ありがとうございます。(拍手)