平成20年第1回定例会-06月17日‐14号

  • 村林聡

    こんにちは。度会郡選出、自民・無所属議員団の村林聡です。地域の問題を議会に届けるという姿勢で2度目の一般質問をさせていただきます。ありがとうございます。よろしくお願いします。
     通告書に従いまして、まず大きな1番、漁業の未来を切り拓くためにというタイトルをつけさせてもらっています。前回に続きまして、漁協の合併問題について質問させていただこうと思います。
     伊勢湾の外側の外湾の組合が、合併協議の準備会をこの6月13日に開きました。あちらこちらでこの話を伺って回っておる様子では、国の450億円スキームという最後のチャンスが来る中で、今年度じゅうに合併を成功させなければ外湾の漁協に未来はないんじゃないかなと、こういう厳しい状況を県は把握してもらっていますよね。協議の場にも入ってもらっておりますよね。外湾漁協が合併に向けて頑張ろうとしております。
     そこでお願いなのですけれども、どうしても外湾の漁協の一個一個が横並びで、漁協同士の横並びのお話ですので、強いリーダーシップを発揮できる存在というのに欠けております。そこで、県として、何とか引っ張ったり、あるいは後押ししたりというような、具体的に言いますと、平成9年の七つ漁協構想のときには、県は合併推進本部をつくって、専従の職員さんを3人置いてくださったというように聞いております。それがくまの灘漁協などの合併のときに大変力になったと伺っております。そのとき並みの体制で臨んでもらえないものでしょうかというのが一つ目の質問です。
     それで、うまく合併できたとしても、その後の新生外湾漁協の前途は平たんではないと思われます。経営は苦しいだろうと思います。協議の場に加わってもらっておるはずですので、今回の県域スキームと呼ばれるものを把握してもらっておられることとは思いますけれども、合併後に発生する後年度負担というものに新生漁協が耐えられるとお考えですかというのが2点目の質問です。
     油の高騰状況を一つとってもかなり厳しい状況ですので、なかなか難しいんじゃないかなと個人的には思っておりますが、そこで、県にもこの県域スキームに何らかの形で参加してほしいなと思っております。もちろん自助努力が大前提です。それはもうもちろん本当に当然のことです。例えば、これは私の地元のくまの灘漁協の例なのですけれども、くまの灘漁協は合併当時に不良固定化債権が23億円あったそうです。しかし、この平成20年の3月末時点では10億数千万円まで減らすことができたと、そういうふうに聞いております。13億円は処理できたということです。
     仮定に仮定を重ねるような質問で大変恐縮であります。答えづらいことは大変よくわかっております。しかしながら、もう時間がありません。国の450億円のスキームに乗ろうと思ったら、この8月、9月ではっきりしなければ間に合わないことになると思います。そういうタイムスケジュールの中ですので、何とか合併までの支援、指導、そして合併後まで含めて農水商工部長の御答弁をよろしくお願いいたします。

  • 農水商工部長(真伏秀樹君)

    漁協の合併について御答弁を申し上げます。  漁連をはじめとする漁協系統団体におきましては、鳥羽市より南の漁協の再編強化を目指しまして、議員御指摘にございましたように、外湾地区漁協合併推進協議会の設立に向けた話し合いが始まったところでございます。
     県におきましては、これまでも漁協系統団体が組織をいたしております三重県漁協組織改革推進本部に参画もいたしておりますし、また、漁協組織の再編強化に関する検討に加わってきたところでございます。現在、先ほど申し上げました協議会の正式な発足に向けて準備が進められておるというふうに聞いておりますので、正式にこの協議会が発足いたしますれば、県としてもそこに参画をさせていただいて、漁協合併の促進について取り組んでいきたいと考えております。
     また、県の組織の関係でございますけれども、本年4月から農水商工部に水産振興担当の総括室長を配置させていただいたところでございます。また、水産経営室を新たに設置いたしまして、漁協経営の基盤の強化でございますとか、漁業者の経営安定に向けた支援を一元的に担当させていただいているところでございます。
     いわゆる合併のスキーム等につきましては、今日午前中の野田議員の質問にも御答弁させていただいたところでございますけれども、合併に際して一番の課題になっておりますのが欠損金の存在でございます。国のほうでは、信用保証料の助成でございますとか、借りかえに対する利子補給、それと信用漁連等の資本強化、こういう策を用意しておりますので、こうしたものをまず積極的に活用していくことになるかというふうに思っております。
     現在、本県では、漁協系統団体の主体的な取組を前提にいたした上で国のスキームを活用し、三重県なりのスキームについていろいろ検討をしておるところでございます。今後合併後にスタートいたします外湾漁業の安定的な事業活動の展開を目指しまして、事業計画、それから合併後のいろんな体制づくりなどの枠組みについていろいろ検討をしてまいりたいと思っております。申請後の外湾漁協に対する合併後の具体的な支援策につきましては、先ほどの協議会等いろんな場で協議をいたしまして、新しい事業計画が明らかにされてくる中で検討してまいりたいと思っております。
     以上でございます。

  • 村林聡

    ありがとうございます。
     協議の場にも加わってもらえるということですし、その協議会が正式に発足すればそこにも参画していけると。その後についてもスキームを検討中であるというような御答弁であったと思います。
     それで、合併後については参画しながら考えるというようなことは当然だと思うんですけれども、協議会ができるまでとか、できてから実際に合併に至るまでというような部分について再質問させてほしいんですけど、もう少し具体的に、さっき言いましたように横並びですので、どういうふうに引っ張ったり押したりしてもらえるのかとか、あるいはそういう県のリーダーシップについての決意みたいなものをもう少し改めてお聞かせ願えないでしょうか。よろしくお願いします。

  • 農水商工部長(真伏秀樹君)

    漁協組織といいますのは、まさに漁業者の自由意識に基づいて設立された組織でございますので、基本的には私どもの考え方といたしましては、漁協の合併については当事者間の協議にゆだねるのが適当というふうに考えております。
     ただ、漁協の経営基盤を強化いたしますことについては、今後の本県の水産業の振興を図るという上からも極めて重要な課題というふうに認識をいたしております。このため、先ほど申し上げましたけれども、県といたしましても、今後設立されます合併推進協議会の中に参画をさせていただきまして、県としての必要な役割というのはしっかり果たさせていただきたいと思っております。
     以上でございます。

  • 村林聡

    ぜひしっかりとリーダーシップを発揮してよろしくお願いしたいと思います。
     次の2番の漁業の将来ビジョンについてというのに入らせてもらおうと思います。ここまでが漁協の問題だったんですけど、ここからは実際の浜の漁業者の質問に入ろうと思います。
     それに当たって、もはや死語になっておるんですけど、米百俵という精神についてちょっと触れてみようかなと。最近司馬遼太郎さんの峠という作品を読んだんですけれども、どうもその後のお話のようで、戊辰戦争で長岡藩というところが焼け野原になりまして、それで近隣の藩から米が100俵支援で届いたわけです。食うにも困っておる状態で、みんなその米をよこせといって集まったんですけれども、この目の前の米は食ったら終わりじゃないかと。この米を売って学校をつくろうじゃないかといって、小林虎三郎さんという人がやったというお話だそうです。そのときにおっしゃったのが、この目の前のお米は100俵かもしれんけれども、売って学校にすればそれがあしたの200俵、1万俵、あるいはお米にもかえられないようなそういうものにも、とうといものにもなるんじゃないかというようなお話であります。
     ここまでのお話の中でも、目の前の不良債権処理とか、そういうお話というのはどちらかというと目の前のお米の話で、それがなかったらもちろん死んでしまうんですけれども、でもそれを食べておるだけではどちらかというとじり貧だろうと考えます。もう少し言い方を変えますと、例えばそういう支援として、魚そのものをもらっても、その魚を食べてしまえば終わりです。しかし、例えばその支援として釣り道具を与えてもらったら、自分で釣って魚を食べていけるんじゃないかと、そういう部分について次はお聞かせいただきたいと思います。
     そういう前向きなお話として、今後の三重県の水産は何で食べていけばよいのでしょうか。あるいは、何でもうけていけばよいのでしょうか。そういう将来ビジョンというか、長期的な展望についてどうお考えでしょうか。例えば、三重県と同じ水産県であります長崎県は養殖マグロの水揚げが現在200トンであるのを県の支援で5000トンまで引き上げようとしているそうです。この油が高い中で非常に残念なんですけれども、遠洋漁業が不振です。そういう時代背景の中で、マグロ養殖というのは有望であろうと。今後主要なものの一つになっていく可能性は高いだろうと、そういう戦略だと思います。
     ちなみに、三重県のマグロ養殖の水揚げ高やマグロ養殖にかかわる業者の数といった現状を把握されておりますでしょうか。世界的な食料問題が出てくる中で、水産白書にはついに日本は世界に対して魚を買い負けし出したという文言が入りました。こういった時代背景を先取りするような長期的な戦略を水産県三重としては持つべきだと思いますけれども、県としては水産業のこれからについてどのようにお考えでしょうか。お聞かせください。お願いします。

  • 農水商工部長(真伏秀樹君)

    まず、マグロの養殖についてお答えをさせていただきたいと思います。
     天然マグロの漁獲については、世界的な資源管理の枠組みの中で最近制限をされてきておりまして、今後漁獲量の増大は望めない状況にございます。このため、養殖の黒マグロでございますけれども、黒マグロは近年急速に拡大をしてきておりまして、全国の生産量は平成17年度の2500トンから毎年増加し、平成19年度には4400トンに達しておる状況でございます。本県でも熊野灘沿岸地域で平成13年から養殖が開始をされてきておりますけれども、現在では五つの経営体で年間約700トンの生産がされておる状況でございます。
     それと、水産業のビジョンについて例のお尋ねでございます。お答えをさせていただきたいと思います。
     本県は1000キロにも及びます海岸線を有している中で、北は伊勢湾、南は熊野灘まで地形に富んだ豊かな漁場に恵まれておるところから多種多様な漁業が営まれてきております。平成18年度の漁業生産量は21万7000トン、生産額は518億円でございまして、ともに全国第8位となっております。このように、本県は全国的にも優秀な水産県であり、水産業は本県にとっても重要な産業であるというふうに認識をいたしております。このため、本県といたしまして、地域の特色を生かしました効率的な漁業活動が安定的に展開されることで、県民の皆様に新鮮な魚介類を提供するとともに、雇用の創出でございますとか、関連産業を通じた地域経済の活性化とともに、水産業が食料供給産業として持続的に発展をしていくことが大変重要というふうに考えております。
     こうした考え方のもと、県民しあわせプラン第二次戦略計画におきましては、安全で安心な水産物の安定的な供給を水産施策の柱といたしまして、この上に水産物の高付加価値化でございますとか、水産業の持つ多面的な機能の維持向上などにも重点的に取り組んでいるところでございます。
     以上でございます。

  • 村林聡

    漁業の多面的な機能と高付加価値化以上の三重県の戦略というものが今ちょっと僕には理解できなかったんですけど、例えばマグロというのは日本人はよく食べますし、漁獲枠のお話もありましたけど、なかなかこれからとれないという中で、実際に五つの形態ですか。僕は南伊勢町が地元なんですが、二つありますよね。
     それで実際見学させてもらったんですが、黒字を出しておるというように聞いています。それで、ヨコワというマグロの小さいのを地元の漁師さんから買い取って、こういう海の生けすの中で育てておる。それで写真はいいけど、ビデオは企業秘密だから撮ってはいかんと言われて、非常にえさのやり方などは高度な企業秘密だそうです。もしも東南アジアなんかに漏れた場合には、もう大変なことになるだろうというようなそれぐらいのお話を聞いております。
     やはりそういうような、マグロに限らず、例えば三重県の取組だとマハタとかクエとか、あるいは水産研究所で見せてもらいましたけど、伊勢エビの研究なんかもされておりますし、そういう中でもう少し明るい漁業の将来の展望を戦略的に開くような話を聞かせていただきたいんですけれども、もう一度再質問させてもらうということで、例えばそういうふうに世界的に見ると、一次産業を取り巻く環境というのは変化しつつあると思います。世界的に非常に魚を食べるようになったとか、輸出というようなことも出てくるんじゃないかと。一方翻ってみると、日本の国内の漁師さんは苦しい状態にあると。そういう苦しいときこそ、そういう漁業の明るい展望についてちょっと部長さんのほうからお聞かせいただきたいんですけど、お願いできますでしょうか。

  • 農水商工部長(真伏秀樹君)

    輸出のお話もあったわけでございますけれども、世界的な水産物の需要の高まりということを受けまして、本県からもサバ類でございますとか、季節によってはタチウオなんかが韓国ですとか中国、東南アジア等に一部輸出もされております。それと、これまで資源管理でございますとか、栽培漁業に取り組んでいろいろ取組をしてきました結果として、平成19年には伊勢エビの漁獲量が久しぶりに全国1位に戻ったとか、それとあとマダイでございますとかトラフグなんかの漁獲量が安定して、その辺の効果も上がってきておるかというふうに思っております。
     また、少しお話にもありましたけれども、養殖のほうでは新魚種でございますマハタなんかの養殖技術が確立をされましたので、本年度から栽培漁業センターでの種苗の生産を始めることとしております。あと伊勢エビでございますとか安乗フグなんかの三重ブランドという形で、いわゆる三重県の水産物なんかを全国的に発信もいたしまして、いわゆるブランド力の向上ということについても一定の成果を上げてきたのかなというふうに思っております。
     こうしたことも今までやってきたことの積み重ねといいますか、着実な成果というふうに考えておりますので、今後も研究機関等も連携をする中できちっとした成果を積み上げまして、水産県三重としての水産業の持続的な発展ということについて一生懸命努めてまいりたいと思っております。

  • 村林聡

    ありがとうございます。そういうことに加えまして、ぜひそういう時代背景とかを先取りした戦略なんかもこれからよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
     では、次の項目、3番目、養殖魚の認証制度についてというように通告させていただいております。
     野呂知事は、松阪市長時代に松阪牛の識別の仕組みに取り組まれたとお聞きしました。平成13年9月に国内で初めてBSEが発生して、当時は牛肉の消費が著しく減少して大きな社会問題となりました。そういう状況の中で、いち早く松阪牛の定義を定められ、松阪牛個体識別管理システムを立ち上げられて、その結果、松阪牛は市場で高い評価を受け、より高価格で取引されるようになって、一時は品薄状態にまでなったというようにお聞かせいただいております。松阪牛の場合は、このときの松阪牛のシールというものが高品質な肉のあかしとなっているわけですが、こういう取組が漁業でも実現できないものでしょうか。
     例えば、今、地域を歩いておりますと、マダイ養殖業者さんの悲鳴をよく聞きます。大変な状況になっております。えさ代が3割から4割上がっているということもあって、1匹750円ぐらいが今採算ラインだというふうに聞いておるんですけれども、この6月の上旬に聞いたときは1匹630円というような値段です。ただでさえそのような状況の中で、四国の大規模養殖業者さんが500円を切るような値段で出荷してきております。といっても、四国の大規模業者さんも苦しい状態で、その値段で出荷せざるを得なくて出してきているんだそうです。
     そういう苦しい経営状態にあっても、頭の下がるような努力をされて、天然物に近いより高品質なタイを育てている業者さんもいます。そういう研究とか努力によって、色も鮮やかで身質もいいというようなタイをつくっておられると。でも、そういう高品質なタイであっても、大規模に量産された安価なタイと同価格で取引されているのが現状です。十把一からげで1匹幾らという値段がついてしまっています。何とかこれを、努力が努力として報われるようにすることはできないでしょうか。
     一方で、タイの尾頭つきが結婚式でもほとんど見られなくなったりというような消費形態の変化や、価格が上昇するとほかの魚に消費が移ってしまって、また価格が下がってしまうというような市場形態などが大きな原因となって高価格化が難しいということはあると思います。でも、松阪牛の場合も、松阪肉自体の付加価値が一番の要因であって、マダイにおいても、地域ぐるみで新しい食べ方の提案をするなどの市場に認められる工夫をする必要はあると思います。しかしながら、松阪牛個体識別管理システムや松阪牛のシールが果たした役割も大きいと考えます。
     マダイに限らず、努力が努力と認められずに、安い値段で取引されてしまっている水産物がほかにもあるのではないでしょうか。水産業、特に養殖魚を対象とした努力が努力として報われる、ちゃんと値段として反映されるための認証制度が必要であると考えますが、そういった魚の認証制度の必要性について県のお考えをお聞かせください。よろしくお願いします。

  • 農水商工部長(真伏秀樹君)

    養殖魚の認証制度についての御答弁を申し上げたいと思います。
     マダイをはじめといたします養殖魚につきましては、燃油価格でございますとかえさ代の高騰など、生産コストが増大する一方で、議員御指摘のように販売価格が低迷するなど大変厳しい状況が続いております。養殖についてのこれまでの本県の取組でございますけれども、いわゆる水産物の安全・安心の確保に向けて水産用医療品の適正使用でございますとか、環境に優しい養殖の推進でございますとか、それから生産履歴の記録保管をいたします自主衛生管理の促進などに取り組んできたところでございます。
     今年度はさらに新たに養殖のマダイでございますけれども、この養殖マダイをモデルにいたしまして、消費者の方に生産履歴などを提供いたします養殖JAS規格の取得を目指そうしているところでございます。養殖魚の価値を高めていくためには、こうした取組に加えまして、おいしい魚づくりやより一層の安全・安心の確保などにより、地域の養殖魚が他の産地と差別化を図られるといいますか、そういうブランド化というのが必要になるかなというふうに思っております。こうしたブランドを育てるためには、長年の取組と努力が必要となりますが、県内の生産者の方でございますとか、関係事業者の方がブランド化を目指した創意工夫に取り組んでいただきたいなというふうに考えております。
     県では、そうした意欲のある事業者の取組を促進いたしますために、六次産業化などの事業化のためのアドバイザーの派遣でございますとか、マーケット内での発想で高付加価値化をつけるためのそういう戦略をできる人材の育成ですね。そういうことについていろいろ支援をさせていただいておるところでございます。県内の養殖魚産地の他産地の差別化に向けた取組というのをいろいろ進めていただく中で、今、議員御指摘のございましたいわゆる認証制度のようなものにも将来つながっていくものだというふうに考えております。
     以上でございます。

  • 村林聡

    ありがとうございます。  安全・安心の取組でJAS規格を新しく始められるということで、ぜひよろしくお願いしたいと思います。ただ、安全・安心という最低ライン、絶対それは守らなければならないラインのもう一つ上の努力が努力として報われるというところまでぜひ、漁業者さんだけではなかなかやれない部分というのもあると思いますので、今そのように部長さんがおっしゃっていただいたと思いますけれども、県としてもそこまで地域や漁師さんがたどり着けるように、何とかリードしていっていただきたいと要望させていただきます。よろしくお願いします。
     大きな次の2番に入ろうと思います。最初に誤解のないように申し上げておきたいのですけれども、公共事業は必要ですし、投資も遅れておると思っています。お願いしなければならないことも多いです。岩手・宮城内陸地震の被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げますが、例えば県内の堤防を一つとりましても、伊勢湾台風当時に整備されたものも多くて大変老朽化が進んでおります。東海、南海、東南海地震においてきちんと機能するかどうか不安に感じているところであります。こういった立場を前提としまして、質問通告の大きな2番、公共事業に文化力を、に入りたいと思います。
     私は、相賀浦というところに住んでいます。その相賀浦というのはなかなか特徴的な地形をしております。(資料を示す)この観光局さんにつくっていただいた美し国・三重ドライブマップにはこのように相賀浦は書いてもらっています。62番、相賀ニワ浜、相賀浦の大池と呼ばれる海跡湖と五ヶ所湾の間をゆるやかな弧を描きながらのびる白い砂州。海の表情が豊かな五ヶ所湾でも特に絵になる。このように非常にいいように書いていただきましてありがとうございます。
     そして、ちょっとここでニワ浜の写真を見ていただきたいと思います。(パネルを示す)この上の白黒の写真が昭和37年ごろのニワ浜です。下のカラー写真は2年前に自分で撮った写真です。なので、余りきれいではないんですけれども、本当はもうちょっときれいです。ドライブマップの61番の南海展望公園というところから撮ると、下のカラーの写真のようになります。この海跡湖というのがこの浜の下の写真の砂浜の砂州の裏側に当たるところですね。このニワ浜というのが長く砂州になっておるところです。受験勉強で嫌な思い出ですけれども、砂州、砂嘴、陸繋島とか習いましたけど、ひょっとしたらこれは砂州で陸繋島で、しかも海跡湖つきというような非常に珍しい地形なんじゃないかなと僕は勝手に思っています。
     というようなニワ浜の宣伝はこれぐらいにしまして、この2枚の写真を比べてお見せしましたのは、このテトラポッドを置いたことによる違いをお示ししたかったからです。このニワ浜は相賀浦にとって天然の防波堤というか、生命線というか、もしもこの浜が切れてしまったら相賀浦は全滅してしまうかもしれません。ですから、前提としてテトラポッドを置いてもらったことには大変感謝しています。しかし、この下のカラーの写真を見ていただいたらわかりますとおり、テトラポッドのあるところとないところとで浜がギザギザののこぎり状になってしまっています。わかっていただけましたでしょうか。ちょっとレーザーポインターの使い方がよくわからないのでなかなか指せないですけど、ギザギザしておるんですね。この美しい砂州は何もない私の在所においては大変貴重な資源であります。まさにこの地域が昔から大事にしてきた文化力のもとになってきたものです。資料をありがとうございます。  恐らく多自然型とか、自然調和型といった自然環境に配慮した工事、工法が出てきたのはここ10年とか15年ぐらいの話ではないでしょうか。とすると、それ以前の30年とか40年前のものになると、経済性とか効率性のみを追求してつくられたものであると言えます。負の遺産と言えば言い過ぎかもしれませんけれども、そういったものによって失われた自然を復元するための追加事業というものを考えられないでしょうか。あるいは、地域資源を取り戻すための事業という言い方もできるかもしれません。
     これが一つと、もう一つは事後の検証です。工事前の事前の調査ももちろんこれからもしっかりやっていってもらいたいんですけれども、やはり事後の検証が大事だと思います。自然相手のことですから、人知が及ばないとか、思わぬ影響が出たというようなこともあるいはあるかもしれません。科学的な知見が長い年月を経て進歩していく、そういうこともあると思います。ですから、事後の検証を、それも1年後とか2年後とかの検証のほかに10年単位での振り返りも必要なのではないでしょうか。自然が相手となりますと、やはりこういう長いスパンでの検証も要るのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。こういった文化力から見た地域資源を取り戻す追加の事業の必要性についてと、事後の検証の必要性について御答弁をよろしくお願いいたします。

  • 県土整備部長(野田素延君)

    公共事業につきましてお答えしたいと思います。  従来からの公共事業におきましては、確かに自然環境の配慮以上に経済性や機能性を重視してきたという一面性が従来からあったということでございますが、平成9年に施行しました環境影響評価法や平成10年から施行しております三重県環境影響評価条例などの定めるところによりまして、地域の特性に応じて自然環境に配慮した事業計画を現在策定しているというところです。
     また、三重県では、公共事業の効果や影響を検証するために、公共事業評価システムを導入しています。その中で、事業評価システムというのを平成15年から始めておりますが、完了後おおむね5年を経過した事業を対象に、周辺環境への影響などを確認し、その反省点や改善点について今後実施する事業の計画等に反映させるということにしているところです。施設の改善につきましても、過去に整備した施設につきましても、その更新に合わせて環境や景観に配慮しながら順次改修作業を進めているというところです。
     例えばで言いますと、海岸事業では失われた砂浜、先ほどちょっと出てきましたが、そういうものを養浜により復元したり、道路事業におきましても現地の植生を生かしたようなのり面緑化を行ったり、また河川におきましても河床に変化を持たせるなど、生物の生息環境の保全を図るなどして多自然型川づくりというものに取り組んでいるというところでございます。今後の公共施設の整備に当たりましては、地域の方々と十分相談、協議しながら、環境や景観に配慮した工法や自然の回復力を活かしたような工法を積極的に採用するなど、自然環境に配慮したような公共事業に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
     以上でございます。

  • 村林聡

    ありがとうございます。  全体としてはやっていくという御答弁をいただいたというように伺いました。順次改修していくときにというお話でしたけれども、できれば今申し上げましたような5年を超えたものを順次振り返って次に生かすというのもいい取組なので、ぜひ続けてやっていっていただきたいんですけど、今申し上げたような10年単位に振り返って、その公共事業によって、場合によっては地域資源が失われておった場合は、それを復元するような事業をやるというところまでぜひ進めていっていただきたいと思います。
     例えば、同じ地元の藤田正美議員さんがこの間おっしゃっていましたけれども、魚が上れない魚道とか、そういうものもきちんと振り返れば発見できると思いますし、1000キロの海岸線を抱えるというお話が先ほども出ていましたけれども、ただ単に堤防で囲っていくということでは牢屋の塀に近いというか、そういうことにもなるんじゃないかなと。ですから、例えばデザインを変えるとか、伊勢神宮までの道路であれば伊勢神宮までの道路でしかあり得ないようなデザインにするとか、何かせっかく知事さんが文化力とおっしゃってそういう発想の転換をしていく必要があるとおっしゃられておるんですので、ぜひそういうような方向でやっていっていただきたいと思います。もしよろしかったら、その辺の決意か何かを聞かせていただけると助かるんですが。

  • 県土整備部長(野田素延君)

    例えばで言いますと、河川、魚道の話が出ましたのであれですが、椋川とか員弁川などの魚道の回復をしている事業とか、それと河畔林といいますか、河川に沿って林をつくったり、瀬やふちをできるだけ自然の形でするような形で、例えば代表的な事例でいきますと名張川でそういう事業をやってございます。
     最後に申されました神宮の話ですが、景観事業という事業の中で、高速道路をおりてからいかにも寂しいなという地域の方の意見もございましたので、地域の方々とどういうふうにすれば、今おっしゃったような景観ができるのかという事業もやっておりますので、決して忘れているわけではございません。もしよければそういう事業にも参加していただいたらと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

  • 村林聡

    ありがとうございます。ぜひそういうようによろしくお願いしたいと思います。
     では、次の大きな3番の「美し国おこし・三重」を成功するためにという項に入らせていただきたいと思います。
     これはどうも一過性のイベントではなくて、地域づくりなのだというように伺っております。すると、つまり「美し国おこし・三重」というのは、県政を挙げて地域づくりの応援をするんだというように理解しておるんですけど、それでいいんですよね。ということになりますと、これは一つ政策部だけの話ではないというように思います。政策部以外の事業の中にもいろいろと地域づくりに役立つものがいっぱいありますよね。それらを縦割りで各部それぞれに実施するのではなくて、そういったものを全庁的に「美し国おこし・三重」へ結集する必要があるのではないでしょうか。
     例えば、農業の施策の中にも地域づくりに関係するものがあるのではないでしょうか。漁業にも林業にもあるのではないでしょうか。それらを「美し国おこし・三重」という観点を踏まえて実施していくことができれば、より効果は大きくなるように思います。この財政状況の厳しいと言われる中ですから、限られた資源は集中して運用することが大事なように思います。そうすれば、一つ「美し国おこし・三重」の事業規模だけの話ではなくなります。そうなれば、市町にとっても大きなチャンスとなるように思います。より高い効果を望むには、資源もみんなの心も一つの方向へそろえて運営していくことが大切であると考えます。
     そこで、お伺いします。
     地域づくりという言葉を聞くと、私なんかはついつい農山漁村を思い浮かべてしまいますので、農水商工部長と環境森林部長に「美し国おこし・三重」へ向けて農山漁村の地域づくりを応援していくと、そういう決意をお聞きしたいと思います。御答弁をよろしくお願いいたします。

  • 環境森林部長(小山巧君)

    「美し国おこし・三重」の地域づくりの中で農山漁村ということでございますが、私は林業の関係からお答えさせていただきます。
     山村におきましては、昔ながらの共生とか共助という絆を主体とした文化が根づいていると思います。こういう地域の文化や伝統を支え、人々の生活に密接に関係しました山の資源、これを生かす知恵や技術など、いわば森林文化も山村には息づいております。こういう山村地域の振興の観点から、これを生かした取組が必要となっていると思っております。
     しかし、山村は高齢化とか過疎化が進んでおりまして、山村社会の維持が困難になるとともに林業の不振、それから地域の重要な資源である森林が有効に活用されないという状況にあります。このようなことから、私としましては、「美し国おこし・三重」の中で地域の個性や文化にこだわった取組として、緑の循環を円滑にしていく林業経営とか、あるいは地域に根づいている山村文化、森林文化をもとにしまして、地域資源の活用を通じた地域間交流、あるいは多様な主体による森林づくりなどを進めることによりまして、山村の自立・持続可能な地域づくりにつなげていきたいというふうに考えております。
     以上でございます。

  • 農水商工部長(真伏秀樹君)

    農水商工部の取組等を少し御答弁申し上げたいと思います。
     これまで農水商工部では、地域の活性化のため、農村環境や農地の保全活動、地域資源を生かしながら、地域課題を解決いたしますコミュニティビジネスでございますとか、観光地の魅力づくり、またイベントの実施など、地域住民が主体となった活動をサポートしてきたところでございます。
     ここ数年の取組事例を少し申し上げますと、桑名市嘉例川でのかれがわふる里活動隊の集落ぐるみの営農とあわせました希少生物などの生態系保全活動でございますとか、それから南伊勢町の旧校舎を利用いたしました交流施設海ぼうずでの自然学習でございますとか、漁業体験の提供、また伊勢市の二見の旅館街で既にやっておりますけれども、おひなさまめぐりでございますとか、七夕・星まつりの開催、こういうような形でその地域の中でいろいろな取組をモデル的にいろいろやってきたところでございます。
     こうした取組は、地域資源を活用いたしました地域づくりに向けた活動であるということ、それと農水商工業者だけでなく、広く地域住民も含めた地域全体で取り組む活動であるということ、こうしたことが「美し国おこし・三重」のねらいといたします自立・持続可能な地域づくりと共通をしているというふうに考えておるところでございます。今後は、こうしたモデル的な提案や取組を手本といたしまして、「美し国おこし・三重」の取組展開に合わせまして農水商工部としての役割を着実に果たしていきたいと思っております。その中で、農山漁村の一層の活性化と、それと「美し国おこし・三重」の成功に向けた取組を一段と進めてまいりたいというふうに考えております。
     以上でございます。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。
     農山漁村の地域づくりのチャンスであると思いますので、ぜひよろしくお願いします。大もとの政策部さんとしても多分それはほかの部の方と協働していくことでより大きな効果を望めると思いますので、ぜひ連携のほうをよろしくお願いしますと御要望させていただきます。
     では、一番最後の大きな4番の過疎対策から見た教育の役割という項に入らせてもらおうと思います。
     大きな目で見ますと、過疎というのは人口流出の問題ですが、一人ひとりの目から見ますと、それは人生の節目節目で農山漁村から出ていくということだと思います。教育、教育の節目で人が都会に出ていくように思うんです。例えば高校進学とか大学進学というような形で、教育、教育の節目で人材の流出が起きておるというように思うわけです。
     また、学校の統合なんかも実は都会への人の流れをつくっているように思われます。人口の少ないところから人口の多いところへと統合するのが一般的だと思うんですけれども、これは農山漁村地域から都市部へ人の矢印というか、ベクトルをつくるというようなことだと思うんですよ。ですから、語弊はあると思いますけど、あえて極端な言い方をするならば、教育で過疎を進めていると、そういうふうに言えないこともないと思います。ですから、あえて学校を統合しないという選択をすると、それはそれでひょっとしたらコストがかかるかもしれません。しかし、一方では過疎対策は必要であり、それにもまたコストがかかっておると、そういう現状だと思うんですね。
     そして、次に提案なんですけれども、教育に関して農山漁村から都市部へという今の流れと逆の流れをつくれないものでしょうか。例えば、進学の実績が県内一番だというような高校が県南部にあれば、そこがたとえ遠くても、多少遠くても通おうとするのではないでしょうか。しかし、進学で県内高校の順序をつけてしまうというのは教育政策上必ずしも好ましいことではないかもしれません。
     そこで、例えば県南部の高校は何かについては一番というような、一芸に秀でた高校にするというのはいかがでしょうか。例えば、英語教育については県内一番、将来の進路として外国の大学に進学することを前提にカリキュラムが組まれているとか、留学についてのノウハウが蓄積されていて、外国の大学に行った場合の進学資金の無利子貸付制度が用意されているとか、そういうような留学を考えている生徒にとってはほかの高校が考えられないような、そういう魅力に輝いた高校にするというのはいかがでしょうか。そういうことになれば、逆の人の流れができるのではないでしょうか。
     そこで、総合的な政策として知事にお伺いします。
     こういった人の流れというものを考えたときに、多くの政策は人口の少ないところから多いところへという流れであるように思います。しかし、殊、教育ということなれば、この流れを当てはめるということにはなじまないように思います。過疎対策も含め、大所高所のお立場からよい考えやアイデアはお持ちではないか、お聞きしたいと思います。
     そして、もう1点は教育長の御所見をお聞かせください。先ほどのは思いつきのような提案でありますけれども、英語に限らず、県南部の高校それぞれに特色を持たせて、何かについては一番にするという考えはいかがでしょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。

  • 野呂昭彦知事

    地域において、過疎が非常に一つの時代の流れとして続いてきておるところでありまして、村林議員におかれては教育の面から一つのアイデアを出されたところであります。その評価はなかなか難しいのかなと、こう思います。したがいまして、いろんな総合的な観点から、過疎地域に対するいろんな施策を県としても今までも展開をしておるところでありまして、過疎地域の自立促進計画に基づきまして、産業面での振興のあり方であるとか、生活環境の整備であるとか、あるいは市町でのいろんな取組を支援するとかいうような形をとったりしておるところであります。
     お話にありました教育、教育というのは、私は地域という観点からいっても非常に大事なことであると思います。人づくりはすなわち地域づくりそのものに直結するものだと、こういうふうに思っております。その場合に教育の前提としては、やはりどういう地域にあっても教育の機会とか、あるいは地域による格差が生じないように最大限まず配慮をしていくということが大事でありますし、その上で社会に積極的に参画できるようなそういう人間としての力、人間力ですね。あるいは新しい知恵、仕組みを生み出していくことの想像力、こういったものをぜひ身につけてもらいたいと、このように思うところであります。
     御提案があったような形のものというのは、教育委員会やそういうところでもよくまた論じていただいたらどうかなと、こういうふうに思います。なかなかそう簡単にいい知恵が出てくるものではないと思っております。

  • 教育長(向井正治君)

    村林議員の過疎対策から見た教育の役割というようなことで、過疎対策の観点から過疎地の、特に南の地域の高校について、いわゆる特定の教科に特化、専門化と、特色化を持たせられないかというような、それによって地域の活性化を図れないかという御質問でございます。
     本県におきましては、様々県立高等学校の再編活性化計画を策定しておりまして、そのような中で、各高等学校におきまして、子どもたちが学びたい学校、行きたくなるような学校と、地域の特性、ニーズを踏まえた特色ある学校づくりを進めておるところでございます。
     このような中で、特定の学習内容や専門に特化した学科を設置している例としまして、例えば相可高等学校の食物調理科、これは非常に特色化、魅力化を図られているところでございます。このような特色化、魅力化に取り組んで一定の成果を上げている学校といいますのは、地元の学校としては多様なニーズにこたえるためには、地域の方々の協力も得ながら、長年の努力、そういうことの積み重ねの結果、そういった評価を得るようになったと。その間、生徒や保護者の方々、関係者などから様々な評価を得ながら現在の姿となってきていると、そういう状況でございます。
     一方で、地域の学校につきましては、例えば村林議員のほうから英語教育に特化して、留学を考える生徒さんからは非常に魅力的な学校づくりをしてはどうかというふうなことでございますが、地元の学校としては、様々な多様な学習ニーズにこたえる必要も片やございます。いろいろな進路希望を持った生徒さんに応じた幅広い学習内容というものを提供していくということが、教育委員会、学校づくりにおいても求められていると思っております。そういったことから、教育委員会といたしましては、地域の状況や生徒の学習ニーズを踏まえながら、それぞれの高等学校がより一層特色化、魅力化するように、様々な教育課程の編成、コースの設置などにつきまして、生徒や保護者の意見の様々なことも聞きながら、学校とともに検討を進めていきたいと、かように考えております。

  • 村林聡

    答弁ありがとうございます。
     教育長さんのほうは地域の方々と相談しながら検討を進めていただけるということですので、ぜひよろしくお願いします。相可高校という名前が出ましたけれども、うちの住んでおる在所が相賀浦で、この調理師の先生の方は村林さんという、相賀違いの村林違いということで何か親近感を持って伺っております。
     知事さんのほうは、なかなかこういうアイデアは難しいという御答弁だったんですけれども、残りの時間もあれなので、そもそも思いついたきっかけなんかを話して知事さんにも参考にしていただけたらなと。
     僕の事務所を相賀浦に構える場所がなくて、五ヶ所浦、一番役場のあるところに、ちょっと大きな在所に置いたんです。そうしたら、相賀浦の人たちが大変怒りまして、おまえなと、おまえは過疎をなくすために議員になったのと違うのかと。それが、おまえ、相賀浦よりも大きい在所に事務所を置いてどうするんやと。相賀浦に置けへんのやったらより小さい在所へ置いたらどうなんやと。そうしたら人の流れができるやないかと言われてはっとしたというのが一つと、あとそういう行政というのは、場合によってはちょっと採算のとれないようなことも可能なときがあると。そういう中で、逆に私立高校というのは損が出るようであってはならないという中で、そういう区分けの中で、あるいはそういう人の流れをつくるというような、それを過疎対策という観点からできるのがひょっとしたらこういうアイデアなんじゃないかなと思って、今回の質問をさせていただきました。また2分余りなんですけど、これぐらいで終結させていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

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