平成26年定例会-02月27日-05号

  • 村林聡

    度会郡選出、自民みらい、村林聡です。
     さて、人口の自然減と社会減は区別して考えるべきで、人口の流出にこそ対策を打つべきだということをこれまで私は主張してまいりました。知事はそれをいち早く認めてくださいまして、南部地域活性化プログラムをつくってくださいました。このことは本当に、大変に感謝いたしております。ありがとうございます。  2月24日の伊勢新聞によりますと、経営戦略会議において、人口流出で八つの市や町が消滅する可能性があるとの意見交換がなされたそうですね。私はまさにこの危機感で、人口流出に対策を打つべきであると申し上げてまいりましたし、知事もそれを認めてくださっていると考えております。私の質問や活動には全てこのことが底流にありますので、どうか本日もよろしくお願いいたします。
     では、早速、通告に従いまして、質問に入らせていただきます。
     大きな1番、農山漁村の生き残りをかけてというふうに置かせていただきました。そのうちの(1)、若者定住奨学金の創設という項目へ入ります。
     人口が流出しやすいタイミングが三つあると私は考えております。それは、進学、就職、結婚という機会、タイミングであります。このうち、進学の機会による人口流出に対策を打つべきだという提案をさせていただきます。
     流出の原因に、根深い意識の問題があります。優秀な人ほど成功するために地域の外へ出るものだとか、成功は地域の外にあるんだというような感覚が深く植えつけられているように思います。学力的に優秀な子どもは、大学へ進学するに当たって、多くは県外へと出ていってしまいます。このことが、優秀な人材は出ていくものだという意識を助長することにつながっていると考えます。この意識をそのままにしておけば地域の疲弊につながりますし、人口の流出をとめることはできません。
     そこで、まずは、人口流出の著しい県南部を想定した若者定住につながる奨学金の創設を提案いたします。詳細な制度設計にまでは踏み込みませんが、大学卒業後に自分の生まれ育った市や町へ帰ってきたり、あるいは1次産業に従事してくれた場合には、その奨学金の返済を免除するというものです。こうした制度をつくることによって、優秀だからふるさとに帰ってきたんだという新しい意識、新しい流れをつくり出せると考えるのでありますが、知事の御所見はいかがでしょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。

  • 鈴木英敬知事

    若者の定住のための奨学金の制度設計は別としてということで御質問いただきました。答弁させていただきます。
     南部地域におきましては大学等の高等教育機関が少ないことから、多くの若者が地域外に進学し、そのまま就職するなど、若者世代の人口流出が進んでいます。このため県では、南部地域活性化プログラムに基づき、若者の雇用の場の確保と定住を促進する取組を市町とともに進めており、南部地域のあらゆる世代の人々が、生まれ育った地域に住み続けたいという願いがかなう地域社会を実現したいという思いは、議員のお考えと同じであると考えています。
     Uターンを促す取組として、例えばおしごと広場みえの三重県人材・Uターンセンターでは、県内大学生などの就職支援に加え、都市部にある大学への訪問、情報提供や、各大学で開催されるUターンフェアに参加しています。本年1月には三重テラスにおいて、主に三重県出身で関東地方在住の若者を対象に、三重に帰って働き始めた先輩からの体験談や県内の学生採用企業の紹介なども行いました。
     南部地域活性化の取組としては、南伊勢高等学校及び昴学園高等学校において、大学進学等で一旦地域を離れても、将来は地域に戻り、次代の地域を担う人材になってもらうことを目指す取組を進めています。
     また、大紀町及び大台町の小学生を対象に、地域の魅力を伝え、地域への郷土愛を育む取組なども進めています。
     一方で、より多くの若者のUターンを促進するためには、地域に働く場を増やす必要があります。県内の企業の90%以上が中小企業、小規模企業であることから、三重県中小企業・小規模企業振興条例案において、企業の経営の安定及び向上を図ることを目的に、企業の特性に応じた支援を行うことにより、地域経済の活性化、さらには雇用の場の確保にもつなげていくこととしています。
     また、南部地域の活性化の取組としては、事業者が地域資源を活用して雇用の創出につなげる取組や、伊勢志摩地域の6市町が開催する企業立地セミナーに対し、引き続き支援していきたいと考えています。
     御提案いただいているような奨学金の返還を免除する制度については、都道府県レベルにおいては、香川県が平成24年度に、全県域を対象に同様の制度を創設しました。県内では尾鷲市が平成17年度に制度を設けているほか、全国の幾つかの市町村においても制度があります。今後、これら先行事例の成果や課題について情報収集しながら、関係市町と研究していきたいと考えています。
     いずれにしましても、若者の流出を食いとめる定住策について、様々な角度から検討し、さらなる取組につなげていきたいと考えています。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。
     同様の制度が既に香川県であるということですね。また、尾鷲市なんかもやってみえるというふうなことを、現在、御答弁していただきました。そして、それらの成果や課題を情報収集して研究していってくださると、そういう御答弁であったと、そのように思います。ぜひとも研究からもう一つ進んで前向きに検討していっていただきたい、そのように思うわけなんですけれども、先ほど御紹介いただいた香川県も含めて、進学のタイミングでの若者流出に着目した取組というのは始まってきております。私が調べましたところによりますと、広島県、そして、先ほどの香川県、徳島県、高知県などでは、関西圏にある大学などとU・Iターン就職を促すための就職支援協定というものを結んだそうであります。
     また、三重県の大学収容力指数というものがあるんですけど、これは、県内の高校卒業者が、高校を卒業した全員が県内にある大学への進学を望んだ場合に、そのうちの何%が県内の大学へ進学できるかという指数ですけれども、これが三重県においては全国45位ということで、三重県の大学の整備環境というのは全国的に見てかなり低位にあるというふうに言えると思います。
     県内で人材を育てるということであれば、大学を整備するという方法もあると思うんです。県立大学を整備している県も多いんですが、それに比べると今回私の提案いたしました奨学金というのははるかに費用対効果が高いと思いますのでどうか前向きに検討していただきたいんですが、もう少し、検討というところまで御答弁いただけないものでありましょうか。

  • 鈴木英敬知事

    香川県も平成24年度からスタートしたばかりでありますし、この段階で検討というよりは研究ということでとどめさせていただきたいというふうに思いますのと、一方で、限られた厳しい財政状況の中で、同じ世代の、例えば本当に地元に残って地元で農業、漁業をやってくれる子たちにはそういう何か一時金的なものを渡さないのに、大学に出ていって戻ってくれる人にだけ一時金的なものを渡すということに不公平感はないか、それは税金の使い方として正しいかどうかというようなこともいろいろありますので、そういう意味で研究にとどめたいと思います。

  • 村林聡

    研究にとどめるということで、私としては残念でありますけれども、ぜひともそれなら積極的に研究していただきたいと、そのように思います。
     尾鷲市がやってみえるということを私は知らずに恥ずかしいんですけれども、南部地域活性化基金というのは複数の市町で取り組んだものが対象になっておりますので、ぜひその尾鷲市の取組を南部地域のほかの市町に御紹介いただいて、そういう複数の市町が連携することで基金を活用して同様の取組ができる可能性があると思いますので、どうぞそちらのほうも積極的に研究、あるいはこちらは検討もできればしていただきたいと要望いたします。
     今、南部という形でお話しさせてもらったんですが、県内の多くの市町が転出超過に陥っている現状からしますと、もし研究いただいてこの制度が効果のあるよいものであるということであれば、行く行くは県内全域へと広げていっていただきたいということをあわせて要望いたしまして(1)の項目を終わらせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
     では、(2)、半農半Xの検討というタイトルをつけさせていただきました。
     県がもうかる農林水産業の実現に取り組んでくださっていることには非常に感謝もしておりますし、評価もしておるところなんです。しかしながら、もうかるという視点だけでは農山漁村が生き残っていくことは難しいというふうにも考えます。
     それは、一般に農林水産物の価格はコストが十分に償われているとは言えないですし、水をつくり、土をつくり、空気をつくるというような価格に反映されない価値をつくり出しているからです。こういう構造がある以上、若者が農林水産業に価値を見出して志したとしても、生活を成り立たせるのは難しいでしょう。
     しかし、1次産業の所得を補うような収入の道があれば、参入してくる若者も多くなるのではないでしょうか。そこで、1次産業と別の仕事を組み合わせるというのが、このタイトルにもあります半農半Xという考え方です。
     先日の総括質疑では、1次産業と民間企業の組み合わせについても取り上げましたが、今回は1次産業と公務員の組み合わせに絞って質問させていただきます。
     現在、県庁の職員は、週38時間45分のフルタイムで働いています。これを、例えば週20時間勤務で月給が半分の地域限定職員のような制度をつくって、残りの時間は1次産業に従事してもらうと、このような制度をつくることはできないでしょうか。
     これを地域の側から見ると、雇用の場が倍に増える、一種のワークシェアリングであります。また、当然のことでありますけれども、1次産業の担い手も確保できるということが言えます。これを行政の側から見ると、総人件費が同じでも実際の頭数が2倍になりますので、うまく運用すればより高い能率を上げることも可能になります。さらには、地域と行政の両方を理解した人材が生まれることで、その両方をつなぐかけ橋になることが期待されます。
     こうした制度は市や町の役場にこそ導入することで大きな成果を上げることができるのかもしれませんが、今までに例のないことですし、まずは県の地域活性化局や地域防災総合事務所などで導入することはできないでしょうか。導入するに当たっての法律上、制度上の問題も含めて総務部長の御所見をお伺いいたします。御答弁、よろしくお願いします。

  • 総務部長(稲垣清文)

    半農半X、Xの部分については公務のあり方についての御質問でございました。
     私ども職員には、地方公務員法第35条に基づきまして、職務専念義務がございます。職員の勤務時間、休暇等に関する条例で定めます勤務時間におきまして、職務遂行上の注意力の全てをその職務遂行のために用いなければならないとされております。また、同法第38条におきましては職員の営利企業等への従事制限が定められておりまして、この営利企業等には、営利を目的とする限り、農業等の第1次産業に従事することも含まれております。職員は、許可を受けなければ、自ら営利を目的とする私企業を営むことや、報酬を得て事業や事務に従事することができません。許可の基準につきましては、特別な利害関係がないことや職務遂行に支障がないこと等、人事委員会規則において定められております。ただし、例えば農業におきまして、職員が相続で得た農地を週休日等の勤務時間外に家族とともに耕作するような場合には、職務遂行に影響を及ぼさない範囲で許可を得ずとも従事することができるとしております。
     御提案の勤務形態でございますけれども、ワークシェアリングや多様な働き方等の観点に立ったものと考えておりますが、職員には、先ほど申し上げました職務専念義務や営利企業等への従事制限がございます。職員が公務以外の事業を兼業することを前提としまして勤務時間を短縮するなどのことは、現行の地方公務員法に基づく制度では想定されていないというふうに考えております。
     兼業を前提といたします勤務形態の整備には、国においても、地方公務員法の服務に関する重要な考え方でございます職務専念義務や営利企業等従事制限を見直すため、新しい働き方を受け入れる社会情勢の変化、国民的理解など、見直しの必然性も含めまして、様々な観点での検討が必要になるものと考えております。  以上でございます。

  • 村林聡

    御答弁をいただきましたが、事前に私が総務部と意見交換した内容とはちょっと違う御答弁だったかなと思います。
     では、端的に伺います。決定的に現状の法律と制度で私が申し上げたような制度が禁止されておるということでしょうか。何か決定的なハードルがあるということでしょうか。御答弁、よろしくお願いします。

  • 総務部長(稲垣清文)

    明文の禁止規定はございません。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。
     禁止されていないんですね。事前にレクチャーをいろいろ受けて意見交換をしたところによりますと、任命権者である知事が決断をし、条例を改正することによって、国の法改正などを待たずこの制度を導入することは、技術的には禁止されていない。可能とまで言えるかどうかは難しいところがあると思いますが、技術的には禁止されていない、そのように理解しておりますし、再質問で、今、御答弁いただいたのは、そういうことであるというように考えます。
     驚いたことに、決定的に不可能だという法律上、制度上の問題はないわけですね。ですが、だから、今すぐやってくれというふうに私も言うつもりはありません。最初の御答弁の中で、想定していない、法が想定していないという御答弁がありましたが、それは正論であろうと私も考えます。
     では、地方公務員法では想定していないということは、時代がそれだけ変わって、地域を取り巻く状況が変わったということでありましょう。そして、その地域の状況から、新しい雇用形態が求められているということだと私は考えております。
     禁止されていないということですので、この新しい提案について積極的に研究、検討いただきたいんですが、総務部長、もう一度お願いします。

  • 総務部長(稲垣清文)

    私ども公務員の働き方といいますのは、当然のことながら国民、県民の皆様の考え方、思いとかけ離れては成り立ちませんので、そういう意味におきまして、先ほども申し上げましたように、いわゆる国民的な議論といいますか、そういったものの盛り上がりなり理解がなければこういったものは進まないというふうに考えておりますので、全国的なそういった状況を今後も引き続き注視させていただきたいと考えております。

  • 村林聡

    社会情勢の変化や国民の理解が要るという先ほどの御答弁にあったとおりかとは思います。しかし、ぜひ積極的に、もう一度、再度要望いたしますが、研究や検討をしていただきたいというふうにお願いいたします。
     知事にもお伺いをぜひさせていただきたいんです。
     農山漁村は時代の変化にさらされて大変困っております。その変化に応じて新しい仕組みというものを取り入れていかなければならないと思います。
     今、私が申し上げたような、今までにない全く新しい仕組みというものについては先ほど社会情勢とか国民の理解というようなことがありましたけれども、こうした判断というのは政治家がすべきものであるというふうに私は考えております。ここまでの議論を聞いていただいて、感想でも構いませんので、政治家としての知事の御所見をぜひともお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いします。

  • 鈴木英敬知事

    時代の流れや環境変化に合わせて働き方が変わっていく、それに合わせていろんな仕組みを考えていかなければならないという総論については私も賛同いたします。あわせて、法が想定していないことがいろいろ事象として、時代の変化に合わせて出てくる。例えば今なんかも、生殖補助医療の法案とか、いろいろ議論されていたりします。それは政治決断として、政治家が今、議論をしているようなこともあります。したがって、法の想定していないことでも時代の変化に合わせてそういう議論をしていくことが重要だということについても、総論においては賛同させていただきます。
     しかし、今あった話においては、総務部長が言ったように、公務員に対する県民、国民の皆さんの見方、それが非常に重要だと思うんですよね。税金で給料をもらっていながら、それ以外の時間は、半分は自分のところの田んぼを耕しているのかと、税金で給料をもらってと、そういうことに対してどう見られるか。あるいは、公務員じゃなくて農業を専業として頑張っておられる方々が、自分は汗水垂らしてずっと自分で売り上げを上げ、収益を上げてやっている中で、ある農家さんは半分税金で給料をもらって公務員として地位も安定していながら農業や水産業に従事する。これに対して、1次産業に従事している方々がどういうふうに考えるか。そういうようなこともありますので、やはり全体の世論の動向であるとか、公務員に対する見方であるとか、一方で農山漁村の状況であるとか、そういうものを注視していくということだと思います。

  • 村林聡

    そうしたいろんな見方の心配をなさいましたけれども、必要か必要でないかという判断をするときにそうした心配事ばかりを挙げていては難しいのではないかというふうにも思います。
     いろんな公務員に対する見方をこれから注視していきながらということでありますので、余り満足というわけにはいきませんけれども、今のやりとりは、少なくとも私から、今この場で、南部地域に人が住み続けられるための提案というものを、皆さんの前でさせていただいたということであります。
     では、次の項へ移ります。(3)で地域エネルギーの活用というように置かせていただきました。
     農山漁村にはエネルギー資源が豊富に眠っています。農山漁村がこれから生き残っていくためには、このエネルギーというものをしっかり活用していくことが大事だと思います。  先日の政策セミナーで、千葉大学の倉阪先生に永続地帯という考え方を示していただいたところですが、地域エネルギーを活用していくに当たっては、持続可能であるとか循環という考え方に加えて、地域主導で行うということが重要であるとおっしゃっておられました。
     また、新エネルギー等活用調査特別委員会の委員長報告にも、エネルギーの地産地消を推進するようにとの意見が出されています。地域のエネルギーなのですから地域で取り組む仕組みをつくることが重要であると、私も考えます。
     そこで、雇用経済部にお伺いします。農山漁村をはじめ県内各地域の再生可能エネルギーを活用した、地域が自ら取り組む、地域が生き残っていくための新しい枠組み、仕組みというものをつくっていっていただきたいのですが、いかがでしょうか。御答弁、よろしくお願いします。

  • 雇用経済部長(山川進)

    平成24年3月に策定をいたしました新エネルギービジョンに掲げた、地域エネルギー創出プロジェクト、まちづくり、地域づくりにおける新エネルギー導入プロジェクト、家庭、事業所における新エネルギー導入促進プロジェクト、エネルギーの高度利用促進プロジェクト、新エネルギー関連産業等育成プロジェクトの五つの戦略プロジェクトに具体的に取り組んでおるところでございます。
     まちづくり、地域づくりにおける新エネルギー導入プロジェクトでは、太陽光やバイオマスなど、地域の資源を活用し、新エネルギーの導入と一体となった特色あるまちづくりに取り組むための補助制度を設け、これまでに多気町立梅用水小水力発電プロジェクトや、市民出資で地域に太陽光発電を導入する伊賀エコ忍者プロジェクト、松阪市のバイオマス活用推進計画策定の、市町や事業者、NPOなどが取り組む木質バイオマスや小水力発電など、地域のエネルギー資源を活用した特色あるまちづくりを支援しているところでございます。
     今後は、将来にわたって持続可能な農地等の維持管理の仕組みづくりなど、農林水産部が進める事業とも連携を図りながら、農山漁村でのエネルギー資源を活用した取組について積極的に支援していきたいと考えております。
     また、新エネルギービジョンの新エネルギー関連産業等育成プロジェクトといたしまして、産学官連携による、地域の資源やエネルギーを産業振興につなげる取組を進めております。
     例えば熊野地域では、規格外などの未利用かんきつ類から有用成分を抽出することにより、香料など付加価値の高い製品をつくり出し、また、その抽出かすから最新の発酵技術によりバイオ燃料を製造する、未利用かんきつ類を活用したバイオ燃料生産の技術開発を開始し、未利用地域資源から生み出したエネルギーを地域で活用する仕組みづくりを進めております。
     また、松阪市では、木質バイオマスボイラーを活用する工場から排出される排熱を活用した未利用工場排熱の農業生産システムへの事業展開が進められており、食物工場の新たな省エネ技術であるデシカント空調装置の導入試験や、IT技術を活用した最適環境制御技術の検討など、収益性の高い効率的な食物工場を目指して、新エネ・省エネ技術を活用した農商工連携に取り組んでいます。
     このように具体的な取組を進めており、今後さらに新エネルギービジョンの五つの戦略プロジェクトを展開し、地域資源や地域特性など、本県の強みを生かしながら、様々な主体の参画に基づく競争の考え方を基本に、県民の暮らしの安全・安心の確保、地球温暖化対策や環境エネルギー分野の産業振興など、着実な成果に結びつけてまいりたいと考えております。
     以上でございます。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。
     それぞれの具体的な取組をいろいろと御紹介いただきました。そういう取組、事例がたくさんあると思います。ですから、ぜひそういう事例の中に、今、私が申し上げたような地域が生き残っていくため新しい枠組みとか取組ということを、これからも常に念頭に置いて取り組んでいっていただきたいと、そのように要望いたします。
     先ほどもおっしゃいましたけれども、農林水産関係のエネルギーということも非常にあるわけでして、農林水産とエネルギーというのは、これからは切っても切れないものになるのではないかと思いますので、農林水産部もぜひしっかり連携して、これから農山漁村が生き残っていける、そういう新たな枠組みをつくり上げていっていただきますように御要望申し上げます。よろしくお願いいたします。
     ここで、大きな1番の最後なんですけれども、ここで、農山漁村の生き残りをかけてという項目の最後に、来年度予算の目玉となっております少子化対策についての、私なりの考え方を述べておきたいと思います。
     都市というのは一般的に経済活動には向いているのですけれども、生活、あるいは子育ての場としては余り向いていないのであります。歴史を振り返りますと、例えば江戸時代の江戸の人口は実は自然減で、それを人口の流入によって補っていたと言われています。つまり、人口というのは農山漁村で増えて、それが都市部へ流れ込むという構造でした。これは、現在においても、都市部では出生率が低目であるのに社会増によって人口が増え続けているというわけでありますから、基本的にこの構造というのは変わっていないということです。
     一方、農山漁村では都市部に比べて出生率が高目でありますことから、農山漁村の人口流出をもしとめることができましたら、中長期的には緩やかな人口増が期待できると私は考えております。つまり、農山漁村の再生こそがこの国全体の本質的な少子化対策であり、現在の農山漁村を取り巻く苦境は、三重県全体、この国全体の課題であると、そのように考えておりますので、どうぞこのことを念頭に様々な施策にこれから取り組んでいただきますようにお願い申し上げます。
     以上の考え方を述べまして、大きな1番を閉じさせていただきたいと思います。
     では、続きまして、大きな2番、農林水産業の下支えをというように置かせていただきました。
     それで、(1)、大雪被害についてという項目であります。
     この2月14日に非常に大雪が降ったわけでありますけれども、私の事務所にも今回被害を受けられたイチゴ農家の方から切実な声が届きました。一部御紹介させていただきたいと思います。
     先日の大雪により、私のイチゴハウスも5棟中4棟が潰れ、JA伊勢の職員が協力してくださって、次の花の分からの収穫が何とかできるよう、でこぼこですが、ハウスを木の柱で持ち上げてくださいましたと。
     ほかのイチゴ農家も、保険がかかっているというようなところの農家であっても、もう現場を見に来なくていいよというように言っているイチゴ農家が知っているだけでも何か6軒、7軒あるような話です。こうした災害を契機に少しでもやめるような農家をないようにしていってほしい、減らしていってほしいというような声でありました。この方は頑張って続けると言ってくださっておって、私は大変うれしいことだというふうには思っております。
     また、別の方からはシイタケのハウス被害も多発していますよという声とか、大紀町の方からはお隣の大台町のほうもさらにひどいようだとか、いろいろな声が届いておるところであります。
     知事は早速国のほうへ要請書を出していただきましたし、国のほうも支援策を打ち出してくださっておるというように聞いております。
     本日の時点の被害状況の把握とか支援策について御答弁をいただきたいと思います。どうかよろしくお願いします。

  • 農林水産部長(橋爪彰男)

    大雪の被害の現状と対応について答弁させていただきます。
     2月14日未明からの大雪によりまして、県内の農林業に大きな被害が発生しております。2月26日時点の本県における農林業への被害ですが、野菜、果樹、花卉などのビニールハウスについて、合わせて213棟、約13ヘクタールが確認されております。
     内訳ですが、イチゴのハウスが88棟で4.9ヘクタール、トマトやメロンなどの野菜が54棟で2.2ヘクタール、ブドウやかんきつなどの果樹が15棟で3.2ヘクタール、花卉が7棟で0.4ヘクタール、水稲の育苗ハウスが16棟で1.3ヘクタール、シイタケ栽培施設が33棟で0.8ヘクタールなどとなっております。
     被害額については調査中ではありますが、現時点で作物と施設の被害を合わせますと約6億円に上ると推定をしております。特に収穫の最盛期を迎えているイチゴの被害が一番大きく、作物と施設の被害を合わせますと約2億6000万円、県全体の被害金額の約4割を占めるというふうに推定をしております。
     このほか、露地野菜など、現在も被害が明らかになっていない作物もありまして、被害状況の把握を進めているところですが、先日私も現地に赴き、被害の状況を目にしまして、全体として非常に被害の大きさを実感したところです。
     今回の全国的な豪雪被害を受けまして、国において2月24日に、災害関連資金の無利子化、農業用ハウス等の撤去、修繕、再建、また、果樹の改植への助成などの支援対策が出されております。
     本県といたしましても、こうした支援が速やかに受けられるよう、翌25日には国に対して本県の被害状況を説明いたしました。これとあわせまして、決定された支援対策予算の十分な確保と、本県の被災農林業者が速やかに復旧に取り組めるよう配慮を求める緊急要請を行ったところです。また、県内市町等に対しまして国の支援対策の周知を図るということとあわせまして、事業申請に必要な資料作成の支援などにも取り組むこととしております。
     今度とも被災農林業者の経営を支え、地域の農林業を維持していくため、農業共済制度による補償に加えまして、国の支援対策の有効活用を進めるとともに、被害状況に応じた栽培技術指導などに取り組んでいきたいと考えております。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。
     速やかに支援策が受けられるように取り組むというふうに答弁いただきました。ありがとうございます。
     また、調査中であって被害が明らかになっていないものもあるという御答弁が含まれていたと思うんです。私も実はちょっと心配するところがありまして、被害がよくわからないというのが、私の事務所を置いていますところが南伊勢町の五ヶ所というんですが、ここはミカンで有名な五ヶ所ミカンの産地なんですけれども、ちょっと情報が私のところに来るのも錯綜していまして、昨日の夜、何か集まって会議をしたというようなお話をちらっとは聞いたんですが、何か大雪で木が折れた、裂けたとか、こういうことがあると二、三年はたたるんじゃないかというようなお話とか、また、一方で、いや、大したことはないというお話をなさる方もおって、また、いや、そこまでの道が、倒木が出てしまっていて、いまだ把握できていないんだというような声もあって、ちょっと不安に思っておるところです。
     また、同じようなことを考えれば、木というつながりで林業についても、どういうような被害があるのかということは、聞いた限りでは余り被害がないというふうにも聞くんですけれども、ひょっとすると把握が遅れるというような場合もあるかとは思いますので、これからいろんな調査をさらに続けていただいて、そうした被害が今後明らかになっていった場合はぜひ細やかに目配りのほうをお願いしたいと要望いたします。どうかよろしくお願いいたします。
     では、次の(2)の養殖業の苦境と「伊勢まだい」という項目へ移りたいと思います。
     三重県の魚類養殖業の状況ですが、生産量がピーク時の半分以下にまで落ち込んで、年々悪化していっているという状況にあります。特にその中でもマダイの養殖の状況が昨年から特に厳しくなっていると、そのように伺っております。
     その要因は三つあって、一つ目は餌である配合飼料の価格が平成25年の8月から20%値上がりしたと。配合飼料というのは、聞くところによると1袋が20キロ入りで、平均3000円前後だったりするらしいんですが、これが約600円値上がりしたということであります。原因は、輸入魚粉の価格高騰が原因ではないかと言われておるそうです。アンチョビというイワシみたいなものが原料なんだそうですけれども、それの不漁とか、あるいはひょっとすると円安なんかも影響しておるのではないかと、そんなお話を伺いました。
     二つ目の原因であります。二つ目が販売価格の下落というふうに伺いました。昨年末、平成25年12月15日ぐらいから、1キロ当たり750円ということで、平成24年は1キロ当たり850円だったということで、約100円も下がったというように伺っております。このマダイというのは年末が主な出荷時期でありまして、そこでの100円の値下げでありますので、収入を直撃していると、そのように伺いました。
     三つ目の理由であります。出荷数量が実は伸び悩んでいると。キロ850円していたころから実は、値段がいいんだけれども余り量が出ていない。現在、まだ生けすの中に魚が残ってしまっておって、このままでは、この春、何か4月から5月ぐらいに新しく稚魚を入れるらしいんですけれども、その稚魚が、まだ生けすがあかないので導入のめどが立っていないというような事態であるというように伺いました。
     こうした養殖業を取り巻く苦しい状況の中で県が行うべき取組というのはブランド化して強化をしていくということが大事だと私も考えるところで、現在、三重県は伊勢まだいという取組をしていただいております。
     この伊勢まだいは、食べた人の評判は非常によくておいしいということなんですが、それだけではやっぱり流通しなくて、一部の流通にとどまっておるというのが生産しておられる方の実感だそうであります。伊勢まだいの行き着く理想の形というのは、三重県の各養殖業をやっている各経営体の方が、大体約2万尾から3万尾ぐらいのマダイを養殖しておられるらしいんですが、その約半分ぐらいを伊勢まだいとして養殖して生産して、それが他県のものよりもキロ当たり50円から100円高く売れると、こういう形まで行ってもらえれば、こういう苦しい状況のときでも頑張っていけるんじゃないかというような、そういうお話を聞いておるところです。
     この理想へ近づけていくことが、先ほどからの年々悪化する状況を打開することにつながると思うんですけれども、伊勢まだいはキックオフイベントなど、非常に華々しいスタートを切っていただいたわけなんですが、その後の現状を県がどう把握しておられるのかということが一つと、もう一つが、先ほどから申し上げたような理想とかゴールへ向かっていくために、今後これから県がどうしていくのかという、その二つについて御答弁をよろしくお願いします。

  • 農林水産部長(橋爪彰男)

    伊勢まだいの養殖の取組の現状と今後についてということですが、マダイ養殖は、今おっしゃっていただきましたように県南部の基幹産業の一つで、非常に重要な産業になっております。
     しかし、近年の養殖マダイの価格低迷だとか飼料価格の高騰など、今おっしゃっていただいたとおりなんですが、マダイ養殖業の経営が非常に厳しいということになっておりまして、消費者であるとか市場ニーズに対応した養殖マダイの生産を推進してブランドを確立させることによって経営改善を図っていくということが必要だというふうに考えております。
     このため県では、養殖業者の集まりである三重県海水養魚協議会や三重県漁連等と連携しまして、養殖マダイの飼料に、三重県産のかんきつ、海藻、茶葉の粉末、こういうものを配合することで脂が少なく肉質のよい養殖マダイのブランド化に取り組み、平成24年10月に伊勢まだいとしてPRと販路開拓を進めていくためのキックオフ大会を開催したところです。
     その後、品質の安定化や年間を通して出荷できる体制づくり、新たに取組に参加する生産者の確保など、生産体制の強化を図るとともに、県内外の量販店等を対象に積極的な販路開拓を行ってきました。
     伊勢まだいの現状の生産ですが、県内5地区で9経営体が参加しておりまして、現在、さらに新たに2経営体が参加を検討していただいているところです。
     生産された伊勢まだいは、県内外の量販店等におきましてこれまでに合計で約3万3000尾を販売しており、毎月の出荷尾数を比べてみますと、本年度当初が約2000尾であったものが、この1月ぐらいには約月5000尾となるなど、増加傾向にはあります。また、伊勢まだいを使った釜飯のもとなどの加工品の開発にも取り組み、三重テラスや県内土産物店等で販売もされています。
     しかしながら、伊勢まだいについては、先ほども申し上げたように、脂分が少なく肉質がよいというような、この特徴を十分にまだ周知し切れていないという、そういう面もありまして、量販店等での販売価格に反映されていないというふうな現状となっております。
     このため県では、先ほど申し上げました海水養魚協議会であるとか県漁連と連携しまして、販売キャンペーンであるとか商談会への参加による販路拡大をこれまで以上に強化するとともに、伊勢まだいのさらなる品質向上を通して、伊勢まだいイコール高品質な養殖マダイであると、こういうふうなブランドを確立することで、販売価格の向上など、マダイ養殖業の経営改善につなげていきたいと考えております。

  • 村林聡

    非常にまだ道半ばなのかなというような御答弁やったと思います。参加しておる経営体の数も増加傾向にあるとはいえまだまだだと思いますし、まだ十分伊勢まだいのブランドが販売価格に反映するにまではなかなか至っていないというような御答弁であります。先ほど申し上げたような理想形で伊勢まだいとしてみんなが生産して、それが高く売れるというところをぜひ目指していっていただきたいと思うわけです。
     何か聞くところによると、次の組織機構の変更で流通班というのができると伺っております。これに対する期待も非常に高いものがあって、流通班でこういう伊勢まだいをしっかり流通できるようになればまた状況も変わるのかなと。また、そうやって高く売れるということであれば、参加する経営体も増えてくると思います。
     ぜひ伊勢まだいがそういうゴールを目指して進めるように、漁連とか漁協とか、また、関係団体、そして、生産現場の声をよく聞いていただいて、これからしっかり農林水産部としててこ入れをして、ゴールへ向けて取り組んでいきたいと、重ねて要望いたしまして、どうぞよろしくお願いします。
     次の項へ移らせていただきたいと思います。(3)が三重のブランド・真珠についてというタイトルを置かせていただいております。
     真珠養殖業を取り巻く状況というのを私は非常に心配しておりまして、私の事務所なんかをよく訪れてくれるお客様の中にも真珠をやってみえる方がみえますので、特に気をつけてお話なんかを伺っておるところなんです。  三重県はスーパーアコヤ貝という取組をしていただいて、貝の閉じる力、閉殻力を利用して、非常に生存率が高くて、生命力が強くて、また、高品質の真珠がつくれるという、そういうアコヤ貝の開発をしていただいて、本当に生産基盤の下支えをしていただくということでいい取組だなと私も思ってずっと応援させてもらっておったんですけれども、この間、ちょっと気になるお話を聞きまして、そのスーパーアコヤ貝が地元の海に合っていないと言うておる業者さんがおって、普及率がいま一つなんだというお話を聞きましたもので、その現状と、それが本当にそういう現状にあるのかということと、もしそうならば、今後どういうふうにしていって、先ほどの伊勢まだいと同じようにスーパーアコヤ貝も、当然ゴール、理想形というものは、現場に普及して三重県の真珠はすばらしいものができるということだと思いますので、そこへ向けてどうお考えかということを、御答弁、よろしくお願いします。

  • 農林水産部長(橋爪彰男)

    スーパーアコヤ貝についてということですが、県の真珠養殖は、景気低迷の影響による需要の減少とか南洋真珠等の競合によって単価が低下してきている、こういう状況に置かれておりまして、平成4年以降、またさらに有害プランクトンの発生であるとか感染症の蔓延ということもありまして、アコヤ貝の大量へい死に伴う生産性の低下とか、しみや傷がある真珠の発生という、こんな状況が見られたところです。
     こんなこともありまして、平成8年ごろから県内の真珠養殖業者の中では、感染症に強い中国産のアコヤ貝と国産アコヤ貝を交雑させた貝の導入が進みまして、一時、約8割ぐらいを占めるようになってきました。
     一方で、真珠の品質面でやはり評価の高い国産アコヤ貝について、感染症への耐性強化を求める、耐える部分、そういう部分を養殖業者からの強い声もありまして、水産研究所では平成19年度から国産アコヤ貝の開発に取り組みまして、スーパーアコヤ貝ということで生産現場への普及を進めてきたところです。
     この貝につきましては、県の栽培漁業センターが平成22年度から生産販売を開始し、中には、おっしゃっていただいた、一部で夏場の水温が高い漁場に合わないという、そういう部分もあるとは聞いておりますが、県内の真珠養殖業者から全体として高い評価をいただいているところです。
     今後は真珠養殖関係団体との連携もしながら、高水温にさらに強いアコヤ貝であるとか、真珠養殖業者と地元が求める高品質の真珠の生産技術の開発に一層取り組んでいきたいというふうに考えております。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございました。
     頑張ってやっておられるということはよくわかりまして、ただ、ポイントは、新たな課題として、夏場の高水温に対応し切れていない部分があると、そういう御答弁やと聞かせていただきましたもので、そこをクリアすることがそういう理想形へ向けていくということならば、ここでスーパーアコヤ貝は立ちどまらずにさらに研究を進めていただいて、夏場の高水温にも対応できるような真珠母貝をつくっていっていただきたいと、そのように要望します。
     非常に気候変動をしておって、温暖化で冷たい海を好む魚が減っておるというような新聞記事とか、あるいは地元でお話を聞いていても、熱帯魚みたいな色の、見たことがないような魚が泳いできているとか、いろいろそういうお話がありますので、真珠にかかわらず、1次産業というのは気候変動というものの影響を受けると思いますので、そういったことも研究していっていただきながら進めていっていただきたいと要望いたします。どうぞよろしくお願いします。
     大きな3番の国道260号の整備という項目へ入ります。
     映写資料をお願いします。(パネルを示す)
     国道260号は、南伊勢町が大きな生き物であると例えますと、まさに背骨のように1本、町内を貫いている道路であります。南伊勢町に住んでいる者は、通勤するのにも、通学するのにも買い物へ行くのにも病院へ行くのにも、とれた魚を運ぶなどの経済産業活動にも、また、観光で訪れていただくのにも、救急にも、最近、防災ということを非常に言いますけれども、防災にも、何をするにおいてもとにかくこの道路から始まるという唯一無二の1本きりの基幹道路であります。
     県もこの260号の重要性をしっかり認識いただいて、ここの地図にもありますとおり、木谷工区、南島バイパス、錦峠、これは直轄代行でありますけれども、そういった事業を進めていただいております。また、この地図にはないですけれども、内瀬なんかでも拡幅いただいて歩道をつけていただいたりしておりますし、また、船越の部分についても動き始めていただいておると、そのように伺っております。
     これから、今やっていただいている木谷工区、南島バイパス、錦峠なんかは、平成26年度、平成27年度と完成していくということであります。本当にありがたいことであります。町長もお礼を言ってきておいてくれというふうに言われました。本当にありがとうございます。
     ぜひ計画どおりに進捗を進めていっていただきたいのでありますけれども、今回の質問は、その次の整備箇所についてであります。それが、この真ん中で、赤い丸で囲んであります東宮─河内間であります。
     次の映写資料をお願いします。(パネルを示す)
     この東宮─河内間をバイパスでお願いしたいというのが地元の願いです。一応は2車線あるのですが、トンネルなどは大型車が対向できません。この地域には県下一の水揚げを誇る奈屋浦漁港があり、大きな水産関係の車がよく通行いたします。また、ここは近年崩落したことがありまして、迂回路がありませんので町の機能が麻痺いたしました。そのときは大きく迂回するしかないわけで、度会町や大紀町を回って90キロ、120分もかけてスクールバスが迂回したというようなことがありました。カーブも非常に急であります。映写資料、ありがとうございます。
     この国道260号の東宮─河内間について、県はどのようにお考えか、御答弁をよろしくお願いいたします。

  • 県土整備部長(土井英尚)

    南伊勢町内の国道260号につきましては、一部に幅員狭小の未改良区間が残っているため、議員御指摘のように、昭和59年度から国の直轄代行として着手しました錦工区6.7キロが平成26年度に開通する予定でございます。
     県におきましても、平成4年度から南伊勢町道方から東宮にかけての3.5キロ区間を南島バイパス、また、平成16年度に木谷地区の1.3キロ区間を木谷拡幅工区として、さらに、22年度からは木谷から志摩市浜島町南張にかけての1.1キロ区間も木谷バイパスとして抜本的な改良工事を行っているところでございます。加えて船越地内の1.3キロ区間においても船越工区として、来年度から国の交付金事業として整備を進めるために測量設計を行っているところでございます。
     国道260号につきましては、まずは、これら現在事業を実施している、先ほど説明しましたような工区について、早期供用を目指すことが最優先であると考えております。
     御質問の東宮から河内間につきましては、現道が1次改良済みで2車線あるということや厳しい財政状況を考えると、抜本的な改良であるバイパス整備事業に早期に着手することは困難であり、将来的な構想であると考えております。
     なお、急カーブ区間の線形改良、このようなことなどの対応につきましては、事業実施中箇所の進捗状況などを踏まえて検討してまいりたいと考えております。

  • 村林聡

    御答弁ありがとうございます。
     早期の着手はなかなか困難ということでありますが、東宮─河内間のバイパスというのはぜひとも必要でありますので、町長や議長をはじめ町議会の皆さんが何度となく東京へも要望に行っておりますし、公明党さんの御好意で町長は大臣に会わせていただいたというようなこともあるようであります。ぜひ県としても積極的に働きかけていっていただきたいと、切実に要望させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
     では、時間もありませんので、最後の項目に入らせていただきたいと思います。
     私がこの議場や委員会で高校再編活性化の議論をこれまでしてきまして不思議に思ったことがあります。知事部局や教育委員会などには審議会や協議会というような附属機関がありますよね。それらの中には法律や条例で一定の決定権限が与えられたものもあるとは思いますが、多くのものは執行部が意思決定をするときに意見を聞いているものです。ですから、意思決定をするのはあくまで執行部です。執行部と議会とが対等の立場で議論をするというのが二元代表の趣旨であると思います。私も議員の1人として、審議会や協議会には県民の各界の代表や専門家などが入っていることが多くあって、その意見は尊重すべきものだとは私も思います。
     しかしながら、尊重した上でも、執行部とは違った結論に議会の側が達するということはあり得ることであります。したがって、議会での議論において、審議会や協議会で積み上げてきたことを理由に、既に議論が終わっているかのような答弁がなされてしまいますと、二元代表制は成り立たず、ひいては議会制民主主義が成り立たなくなってしまうのではないでしょうか。
     ですから、執行部の皆さんにおかれましては、協議会や審議会の意見を理由にして議論を途中で封じるのではなくて、二元代表のもう一方の民意のあらわれである議会の議論も十分に尊重すべきであると思いますが、いかがでありましょうか。
     本日はもう時間もないことでありますし、答弁を求めずに要望にとどめさせていただきますが、どうか執行部の皆さん、よろしくお願いいたします。
     では、全ての項目が終わりました。
     冒頭に申し上げましたように、農山漁村の生き残りをかけて、住める地域をつくっていただきたいというのが私の切実な思いでありまして、どうかこれからも執行部の皆さん、よろしくお願いしますとお願い申し上げまして、時間となりましたので今回の一般質問を終結させていただきます。ありがとうございました。(拍手)

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